零愛‐ゼロアイ‐ 1
これは少し未来のお話し…
一人の少年の
悲しく
切ない
それでいて
不条理に足掻く
愛のお話し…
これは少し未来のお話し…
一人の少年の
悲しく
切ない
それでいて
不条理に足掻く
愛のお話し…
「ゼロぉ〜、いるぅ〜?」
「……なんですか、会長?」
俺は、まのびした声を出す従姉の方を向く。
彼女の瞳は“キラキラ”と輝いてる。
「(絶対何か企んでるな…)どうしたんですか?」
「実はねぇ〜、ゼロに着せたい…」
「全力を以って断る!」
のんびりとした空気が流れていた学園自治会室に、俺の怒声が響きわたる。
「どうして〜。せっかく似合うと思ったのぬぃ〜」
「なにが“ぬぃ〜”ですか。どうせまた俺に“女装”させる気でしょ」
「アッタリ〜♪」
まったくこの人は…
満面の笑みを見せる従姉殿を見て、“なんで学園自治会の会長をやっていられるのだろう”と常々思う。
千妙院 魅夜
俺の従姉にしてこの『千年学園』の理事長の娘。
学園自治会の会長である事を良いことに、トンデモない企画を立案する。