ハヤテの如く〜マリアの初恋〜 4
自分の気持ちに気付いていながらも未だに何処かを誤魔化している自分がいるマリア。
マ「やっぱり私はハヤテ君が……」
その事を考えていたマリアは小説に目がいかず、まったく進んでいなかった。
マリアはふと時計に目を配った。
マ「もうこんな時間ですか…そういえばナギが借りていたビデオを返しに行かないといけませんね。」
マリアはナギの部屋に入りビデオを持ってタチバナレンタルに向かった。
同じ頃
ハヤテが一日の授業が終わりナギが伊澄と帰るのを見送り帰ろうとしたそのとき。
?「ハヤテ君、ちょっといい?」
ハ「あ、ヒナギクさんどうかしましたか?」
ハヤテが振り返るとヒナギクが立っていた。
ヒ「あの、お母さんにプレゼントを買いたいのだけど街まで付き合ってくれないかしら?」
ハ「え、いや…」
ヒ「駄目なんだ…」
ヒナギクは上目使いで目をうるませる。
ハヤテは早く帰ってマリアに楽をさせたかったのだが、こういう頼みを断れないハヤテは…
ハ「…いいですよ、ヒナギクさん」
ヒ「本当!ありがとうハヤテ君!!じゃあいきましょ。」
ハヤテはヒナギクに連れられ街へと向かった。
マ「ではワタル君、サキさんまた後日。」
マリアはタチバナを出ると特にやりたい事もなく、帰ることにした。
マリアはちらっと展示されていた商品に目がいく。
マ「わぁ、この髪止め可愛いですね。」
シンプルなデザインで可愛らしく出来ている髪止めに惹かれるマリア。
マ「値段は…う〜ん、よし!買いましょう♪」
マリアが買うために店に入ろうとドアまで行くと中に楽しそうに話をしているハヤテとヒナギクの姿を見つけた。
マリアは思わずその場を走りさり、屋敷に帰った。
マリアは屋敷に帰るなり自分の部屋に閉じ籠った。
マ「……どうして…でしょうか。ハヤテ君が他の女性と楽しそうにしているのを見るだけで……胸が痛い…」
今までなら話しかけたり、気にせず通り過ぎたりできたはず…
けれど今のマリアは話しかけるどころかその場にいるのもいやになっていた。
マ「やっぱり私はハヤテ君が…好きなんでしょうね……いえ、ハヤテ君を愛しています!」
マリアは自分の気持ちを誤魔化さず、自分の気持ちを固めたのであった。
暫くすると玄関が開いた音がしマリアは足を運ぶ。
ハ「あ、マリアさん只今帰りました。」
マ「おかえりなさいハヤテ君、夕食はもう出来てますよ。」
ハ「え、マリアさんは休んでいてくださってよかったのに、夕食ぐらい僕が…」
マ「いいんです!自分で出来ることは自分でしたいんです!」
ハ「…でも無理だけはしないでくださいね。」
マ「はいっ、ありがとうございますハヤテ君。」
マリアはそういうとキッチンに入っていった。