薄暗い夜の空が白み始め、朝刊が配られ始めた時間。営業開始が早い店からは、慌しい音が漏れ始める。
北関東に位置するニュータウンは最近の売込みで人が増え、そこの小さな商店街も再活性化が期待されていた。
陽が上りきれば新学期を向かえ、通学や通勤が始まりを告げる。
学生諸君に取っては長期の休みが終わってがっかり感満載であろう。
さて、この物語は極々普通の商店街に居を構える魚屋さんの息子が繰り広げる極々普通の学生生活であり、極々普通の無自覚やら修羅場やらすれ違いやら勘違いがある……
そんな日常の物語である。