住み着いた奴は…
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その建物は今にも崩れるのではと思わせる程に損傷が激しい。だが、中からは野太い声が聞こえる。 「……」 俺は建物の中に入る前に一度足を止める。 ここまで来る途中に何度かオーク達と遭遇したのだが、どの個体も皆、目が虚ろだったのだ。 何かがおかしい…そう思いながらも、俺は扉を蹴破る。そこには、白目を剥いて倒れる複数のオーク達の姿があった。 そして、奥には筋骨隆々の男がいた。顔は馬なのだが、首から下は人間のそれである。上半身は何も身に着けておらず、下半身には黒いズボンを履いているだけだ。 「ふむ……何者かと思ったら貴様か」 男は俺の方を見て言った。 「お前は何者だ?このオーク達はどうした?」 「我が名はルーガンと言うものだ。まぁ今は訳あってここに住み着いておるがな」 ルーガンと名乗った男は腕を組みながら答える。
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