牙の勾玉
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ペンネーム
┗二葉亭としあき
本文
市太郎にとって少し新鮮だったのは、あの勾玉が値打ち物ではなさそう、ということだった。 勾玉は、市太郎が5歳程の時に母親から貰ったもので、もう8年程経つが、あれがどういうものかは知らない。ただ、「決して無くさないように、片時も身から離さないように」とだけ言われていたもので、市太郎も母の言うことだだからと、深く考えず今日まで身につけてきた。文銭程の大きさの勾玉で、傷も無数につき、その跡は赤茶に変色している。白い勾玉で、それは真珠のような輝きにも見えたし、骨のような落ち着きを持っているようにも見えた。 市太郎自身もそれを値打ちのある物だとは思っていなかったわけだが、大切に持たせるぐらいなのだから、何か云われのある品物だったのだろうかと、市太郎は勾玉を奪われてようやく、初めて勾玉のことを知りたくなっていた。
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