俺は宝条仁（ホウジョウ　ジン）１６才の真面目な学生だ。
俺には二人の姉・紗姫（サキ・19）世奈（セナ・17）と、
二人の妹・莉奈（リナ・14）
美姫（ミキ・13）がいる。

母親は親父と離婚してすでに再婚している。

俺達五人は親父と暮らしていた。が、親父は今年からロンドン勤務となり、今は俺達五人で生活している。
生活費は親父が置いて行ってくれたし、部屋の家賃は五年後まで振り込んであるらしい。

生活に困る事はほとんど無い。
紗姫姉さんはOLだ。と言っても勤め先は父のいる会社の日本代理店で、自宅で父のサポートをしてるため出勤することはあまりない。

上の妹　莉奈は中学生だが、わが家で一番背が高い。読者モデルをやってるらしいが俺にはその活動を一切見せてくれない。ただ、俺のクラスメイトが時折、
「これ、宝条くんの妹さんでしょ。」
と雑誌を見せてくれたりする。

世奈姉さんはわが家で一番背が低い。でも高校で陸上部だ。あまり活躍してないけど小さな身体で力いっばい走る姿はステキだ。

妹の美姫は外では道を直角に曲がるほどの堅い少女だが、家ではだらしない。

生活に困ることはないが、彼女達の僕へのベタベタぶりに困っている。
いちおう俺が長男扱いなので、一番広い部屋を与えられたのだが、そこにWi-Fiの設備を置いたせいか、みんなそれぞれの部屋がある癖に俺の部屋に集まってくる。
もっとも世奈姉さんなんか、Wi-Fiなんか関係ない筋トレやったりしてるし、美姫などは部屋に置けなくなったコミックスなどを積み上げてきている。
俺の部屋はだんだん彼女達に侵食されてきている。
…でも、キレイな姉と妹が部屋に集まってる光景は見てて楽しい。
まあ、俺が彼女達の部屋に入ろうものならボコられるけどね。

朝、俺は変な圧力の中で目をさます。頭を起こそうとすると、
「ちょっと、今大事な仕事中だから動かないで！」
紗姫姉さんの声がする。俺の横に寝そべって、俺の身体にノートパソコンを置いて何か仕事してるんだ。
外国を相手にしてる仕事だから、時差の関係でこういう事はよくある。しかし部屋のすみで裸の後ろ姿を見せてる世奈姉さんは理解できない。
「世奈姉さん、何でそこで裸になってるのさ。」
「うん。朝からひと走りして汗かいたから、シャワー浴びたからね。」
「何か着てから…」の言葉が終わらないうちに、莉奈が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん、世奈が部屋ん中で泣いてて出てこないの。ちょっと見にきて。」
「莉奈が聞いてくればいいじゃないか。」
「お兄ちゃんが来てくれないとイヤだっていうの。」
「世奈のやつ…ふだんそんなに俺を頼りにしてないくせに。」