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謎の学校
官能リレー小説 - ロリ

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謎の学校 9


「あ、原久田先生だ!」
「代わりの人って先生だったんだ〜」
「彩ちゃんがお休みって聞いたときはどうなるかと思ったよ〜」
彩ちゃん…ねえ。
まあ、先生と友達感覚で接することができるってのはいいことだな。

「とりあえず、俺は見てることしかできないから」
「はい。やることは決まってますから」
答えたのは野々村美鈴。
このクラスの委員長を務める生徒だ。
彼女は非常にまじめで、頼れる生徒だ。

プールサイドに座って、生徒が泳ぐのをじっと見つめる。
皆美少女で、スタイルもいい生徒ばかり。
濡れた水着とはっきりとわかるボディラインは官能的だ。

…しかし。
俺は彼女達に性的興奮は感じなかった。
…というよりも、俺はここにいていいのかと思っていた。

今野の頼みだから断れなかった。
だが、本当だったら、たとえ代理だったとしても体育の授業を担当するのが嫌だった。
ここに赴任した当初、俺は今野からある部活動の顧問を頼まれた。
しかし、俺は断った。
いくら今野の頼みでも、それだけはできなかった。

授業を終え、職員室に戻る。
「代理お疲れ様です」
そう言ってコーヒーを淹れてくれたのは、この学校のスクールカウンセラーである深江夕子。
「ありがとう」
あくまで普通にしていたつもりなのだが、カウンセラーである彼女には見抜かれていた。

「ホントは、代理で教えに行くのがいやだったんですね」
「…バレていたのか」
「朝の時点で、そう思いました」
「そうか…」

これがちょうどいい機会だと思った。
俺のデスクには、心配したのか鈴や数学担当の本永舞、音楽担当の手島深雪もやってきた。

俺は、彼女達に、過去の出来事とここに赴任された理由を話した。

そもそも俺は元は高校の教師だった。
その高校は、バレーボールの強豪校で有名だった。
そして、バレーボール部の顧問が俺だった。

チームが強くなるためには、量も質も濃い練習が必要というのが、俺の持論だった。
そのためには、期待に沿わない場合は鉄拳も辞さない気持ちでいた。
部員である生徒やその両親からもある程度の理解を得ていたと思っている。
実際、それで全国大会に出場し、好成績を挙げてきた。

そんな時―
一人の部員が自ら命を絶った。
彼が遺した遺書には、顧問である俺の指導に耐えられないという文章があったと言う。
確かに俺は、彼にも何度となく手を上げた。
しかし、それでも彼は俺の指導についてきた。

これが明るみに出るやいなや、マスコミは俺のことを『体罰教師』と非難しだした。
不本意な点も多少はある。
しかし、このことで俺は教師として、部活動の顧問としての自信を失った。
学校側は、事を大きくしたくないと言う理由で俺に自主退職するよう言ってきた。
自分に自信が持てなくなった俺は、その言葉に従った。

そんな時、俺の元に匿名で手紙が来た。
内容を簡単に言うと―『貴方の力が必要です。我が校に来て下さい』
俺は最初、それを断った。
しかし、その後も執拗に手紙は来る。
どこで知ったか知らないがパソコンのメールで同じような文が来たこともあった。

いつまでも断っていても埒が明かないと思った俺は、仕方なく指示された場所に出向いた。
行くだけ行って、自分の口で断ろうと思ったのだ。
そうしてやってきたのがこの学校、『神の里中学校』だ。

手紙を送った主は今野さゆり。
ここの理事長だ。
彼女と俺は、小学校の同級生だった。
…といっても1年だけだったが。

彼女に会ってもなお弱気なことしか言えない俺。
そんな俺を、彼女は必死で説得した。
最終的に、俺はここの教師になると決めた。
俺を突き動かしたのは彼女のこの言葉―
「原久田君の居場所は、私が作ってあげるから」

ただ、部活動の顧問は断った。
あのときの出来事が、トラウマになっているから…

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