みんなの天使 3
「これからも遊ぼうね、綾音たん……」
沈み行く意識の中で、その声だけが頭に残った。
そこで綾音はとびおきた。
どうやら夢だったようだ。
しかし、綾音はこの夢が現実でおこることを
心のどこかで期待していた。
「おーい、綾音。イベント行くぞ!」
義兄がコスプレイベントに綾音を連れ出す。以前からの予定だが、自然と胸が高鳴ってくる。
わたしは最近流行りの魔法少女の着る、ふりふりドレスに身を包んで、会場に辿り着いた。
しかし、思っているのと違い、コスプレをしている人はいない。カメラを構えたお兄さんばかりだ。