PiPi's World 投稿小説

孕神
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 9
 11
の最後へ

孕神 11

見たことのない顔であること、そしてその身長から下級生かと思い・・・また驚きで絶句した。
ブレザーの制服の胸元にはその小柄な体格に似合わぬほど大きく膨らんだ2つの肉丘・・・。
そこには3年生であることを示す徽章がつけられていたのだ。
この体格で先輩だったの!?と3人は驚くが、問題はそこにとどまらない。
学校に通う生徒にとって1歳の差は決して越えられない壁と言っていい。
故意ではなかったとは言え、先輩を下敷きにしてしまうなど、決して許されることではない。
司たちは戦々恐々といった様子で小さな先輩の様子をうかがっていると。
彼女は淡々とした口調で司たちに『命令』をしてきた。
そう。質問ではない。命令だ。それも下級生とは言え、初対面の司たちに向かって。

「私、人を探しているんだけど。
 あなたたちの学年に『嘉納司』って子がいるでしょう?
 誰かそこの子を呼んできてほしいのだけど」

先輩の言葉に司たちが動揺を表に出さなかったのは、奇跡と言っていいだろう。
もし何らかの反応を出していれば、何を聞かれるかわかったもんじゃない。
それを理解して反応を抑え込んでしまうほどに、司たちは辟易していた。
でもこのままいつまでも無反応を決め込むわけにはいかない。
司は内心の動揺を悟られまいと平静を装いながら、まず疑問に思うであろうことを聞いてみた。

「嘉納・・・って、マイスターになったって今学校中で話題になっているヤツのことじゃないですか。
 そんなヤツに一体何の用です?」
「・・・そんなこと、あなたに関係ないでしょう?いいからさっさと呼んできなさい」

ぞくり―――

明らかな拒絶の意思を見せながら、嘉納司を呼んで来いと命令する上級生。
その目に恐ろしく冷たいものを見た司は、背筋に冷たいものを走るのを感じた。
この先輩が自分を探しているのは、何か別の理由だ。
司は彼女の態度からただならぬものを感じ取った。
マイスターになって司に近づいてきた連中は、どれも芸能人を見つけた一般人のような、野次馬根性丸出しの人間ばかりだった。
普通、そんな人間には抑えられない好奇心が熱となって伝わってくるものだ。
でもこの先輩は違う。司にお近づきになろうとする者たちとはむしろ真逆の、冷たいものを感じさせる。
興味本位で司に近づこうと言うのではない。
この人は何か、マイスターとなった司とお近づきにならなければならない理由がある―――。
それが彼女の様子から司が導き出した答えであった。
しかし野次馬根性丸出しでやってくる連中も困るが、こういう相手もそれはそれで厄介だ。
譲れないものがあるだけに、目的を達成するまで絶対にあきらめないから。
ましてマイスターになった司に近づきたいだなんて、絶対にろくでもない理由に違いない。
司は適当にはぐらかして逃げることに決め、美咲と百合花にアイコンタクトを送る。
美咲はそれに対し即答でOKの意を返す、が。
一方の百合花は「話を聞いてあげたほうが・・・」と言いたげな視線を返してくる。
気の強い美咲に優しい百合花。どちらも実にらしい答えだ。
でも2:1でこの場を逃れることがすでに決定している以上、その願いを聞き届けるわけにはいかない。
司は心を鬼にして先輩にこう言った。

「すみません、先輩。司ならみんなに囲まれるのに嫌気がさしたみたいで、どっかに逃げちゃったみたいなんです。
 今、僕たちもアイツを探しているところなんですよ」
「・・・そう。いないのならしょうがないわね。出直すわ」

小柄な先輩は司のうそを真に受け、その場を後にした。
真剣な彼女をだましてしまったことに罪悪感を覚えないわけではない。
だが司たちにもいろいろな都合というものがあるのだ。
3人は後ろから聞こえる司を探す声から逃げるようにその場を後にするのだった。

「んっ・・・ねえ、司、くぅンっ!?や、やっぱり先輩の、はぁん、話を聞いてあげたほうが・・・ひんっ!?」

体育館準備室。そこで今日の昼食を提供していた百合花は喘ぎながら司にそう言ってきた。
ちなみにジャンケンで勝った美咲は司の股間に顔をうずめ、そのミルクを飲もうとなめしゃぶっている。
ディーヴァとなった女性は胸の肥大化、母乳体質化に加え、極度の淫乱化を引き起こす。
彼女らの母乳がマイスターの主食なら、マイスターの精液はディーヴァの嗜好品なのだ。
半ば理性をトバしながら精液をねだる美咲の舌と百合花の母乳を堪能していた司は、眉をひそめるとちゅぽんっと百合花の乳首から口を離す。
司が眉をひそめるのも当然。彼女がこの話題を持ち出すのはもう3回目だったから。

「・・・また、その話?あれは話を聞かないってことで終わったでしょ?」
「ん・・・で、でも・・・。あの先輩、何か真剣な顔をしてたし・・・。
 やっぱり話を聞いてあげたほうがいいと思うの」

これまでも繰り返してきた、同じやり取り。
意外と頑固な百合花に司は思わずため息をつく。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す