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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 3

異世界から来た邪悪は確実に勢力を延ばしていた。
人類はまだ、邪悪に気付いてすらいない。

一ヵ月後
卯月の実家は世界有数の大財閥だ。
大蛇院の屋敷に卯月はいた。
あの日から学校には行っていない。
行く意味が無いからだ。
今、彼女はパソコンのディスプレイとにらめっこをしていた。
彼女が掌握している会社にゼイルに言われた物を用意させていた。
用意させているのは大量の科学薬品や金属など。
(用意できれば、ゼイル様はさぞやお喜びになられるだろう)
これらを用意するのに国家予算なみの金額になったが。

大蛇院財閥の財力を駆使すれば問題はない。
「早くても一週間ね…」
パソコンの電源を切り、資料をまとめて立ち上がった。
ゼイルに報告するために、卯月は部屋を出た。

今、ゼイルは大蛇院財閥の経営する工場にいた。
彼が設計した改造装置がちゃんと生産しているかどうかの視察だ。
「装置は?」
「全て予定通りに生産されています」
彼と話しているのは洗脳された工場長だ。
そこには、三十メートル弱の卵型の機械がコンテナにつめられられていた。
いずれこれらが世界中の人間を改造するだろう。

「ゼイル様、大蛇院財閥の各国支部に置かれた工場並びに運搬ルート等確保できました。後一週間もあればすべて準備が整うことでしょう。」

「卯月よ、よくやってくれた。まさか、この世界に来てここまで順調に世界征服への下準備が整うとは思いもよらなかったぞ。」

高笑いするゼイルを見やりながら頬を染める卯月は一見純情な乙女のように見えるが、その愛はひどく歪んだものであった。


ふふふっ、これで退屈な日常ともおさらばできる。ゼイル様は私に世界の壊し方を教えて下さった。どれだけ権力や金があろうと何もできなかった私を導いてくださった彼は、まさに救世主。私の愛しいお方なのだから。

侵略開始まで残り一週間。世界の危機は刻一刻と迫ってきているのであった。
生まれつき全てを手に入れていたからこその物足りなさ。
それを満たしてくれるのがゼイルだった。
自分に無い力を持っている…しかしこの力で日常を破壊した後はどうするか?その辺りを考えていない所が彼女の薄っぺらさを感じさせた。
破壊願望しか無いのだ、結局は。彼らには自分の好きなように世界を描き変える事など出来そうになかった。
当然世界を自分の手で描き直そうとする新たな勢力は現れる。大蛇院財閥の一部であるAAAグループの代表の味木だ。

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