変化した青年 1
あるところに、1人の青年がいた。彼はただの一般人だった。容姿も運動能力も秀でているところなどなかったし、特に頭が良いというわけでもない。
そんな青年はある日を境に、人が変わったように力をつけ始めたのだ。
その変化に最初に気づいたのは、彼と同じ学校に通う親友だった。
彼はある日、青年の右手の甲に奇妙な紋章が浮かんでいるのを見つけた。それはまるで、揺らめく炎のように赤い痣だった。
彼がそのことについて尋ねると、青年はこう答えた。
「これは…神からの贈り物だ」
青年はそれからも、変わらず平凡な日常を送り続けた。しかし、親友だけは気づいていた。彼の瞳の奥に、何か得体の知れないものが宿っていることに。