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超合体★アクメロボ ガングリオン
官能リレー小説 - SF

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超合体★アクメロボ ガングリオン 63

さて、こちらは衛星軌道上にある戦闘母艦バルビツール。
その作戦司令室では、最高幹部のハイデガーがステッドラー総統に取りすがっていた。

ハイデガー「総統! 何故、全部隊を投入して攻撃しないのですか?!」
ステッドラー「…そのプランは却下である」
ハイデガー「しかし!! 今、ガングリオンは大ダメージを受けています!! さらに地球上に姿を現したレジスタンス組織の宇宙船と共に現在太平洋を移動中なのですぞ!! この好機を逃してどうするというのですか?!?!」
ステッドラー「何度も言わせるな。次の中継まであと6日もあるではないか。今、奴らを全滅させてしまっては、元も子もなくなる。せっかく全世界で高視聴率を取っている番組をみすみす潰すつもりか?」
ハイデガー「総統っ!! 総統は地球侵略と中継放送と、一体どちらが大事なのですか?!」
ステッドラー「わざわざ聞くまでもない。一番大事なのは私の音楽番組に決まっておる」
ハイデガー「…ぐっ」

ハイデガーは絶句した。
薄々わかっていたことだが、これだけはっきり言われるとは…。

ハイデガー「私は、今回の地球侵略のために必死で様々な作戦を練ってきました。1866もの作戦を立案してきたのに…。『面白くない』の一言で、総統は全て却下!! 全て却下されたのですぞ!!」
ステッドラー「…そんなにあったかな? よく覚えておらん」
ハイデガー「裏切り者コリン・セーガンの住んでいる家、同居している家族まで詳細な情報を掴みながら何もせず、ただ毎週侵略ロボを送り出すだけなんて、おかしいではないですか!! 何故、敵のアキレス腱を突こうとしないのですか?!」
ステッドラー「そんなことをしたら私のイメージが悪くなるではないか!」
ハイデガー「例えば作戦NO.176『星野彩音誘拐作戦』! 遊園地のアトラクションで待ち伏せして、あのメスをさらうだけでもガングリオンはピンチに陥るのですぞ!!」
ステッドラー「つまらん」
ハイデガー「例えば作戦NO.321『星野家全滅作戦』! あの一家が調達する食料の中に青酸カリを混ぜ込んでおくだけで問題は一挙解決です!!」
ステッドラー「アホらしい」
ハイデガー「例えば作戦NO.1052『謎の転校生作戦』! あのメスが通う学校に美形の殺人アンドロイドを送り込み、全校生徒ごと血祭りに上げてしまうのです!!」
ステッドラー「くどい! 私はホラー映画が大嫌いなのだ!!」

興奮して喋るうちに電子頭脳もだんだんヒートアップしてきた。
ハイデガーの頭はズキズキと痛み、目には涙が滲んでいる。

ハイデガー「私という存在は一体何のためにあるのですか?! 私がいて気を悪くされるなら、正直に申し上げてください!!!」

もはや敬語も滅茶苦茶だ。
IQ350のプライドを打ち砕かれて、完全にトチ狂っているようだ。

ステッドラー「もうよい!! はっきり言ってやろう!! お前の作戦は私の美意識に反するのだ!!」

ガ―――――ン!!!!!
その一言はハイデガーを完全に打ちのめした。
フラフラとよろけてがっくりと膝をつく。

ステッドラー「そろそろ新曲のリハーサルの時間だ。私はもう行くぞ」
ハイデガー「ま…待って下さい総統!! もう少し私の話を…!!」

ガシッ。思わずハイデガーは翻ったステッドラーのマントを掴んでいた。

ステッドラー「私の…神聖なるマントを…汚したな?」
ハイデガー「はっ…!!」

ゴゴゴゴゴ…。
みるみるステッドラーの表情が変わってゆく。

ステッドラー「こっ、このビチグソがァァァ〜〜〜〜〜っ!!!!!」

バキッ!!
ステッドラーの鋭い蹴りがハイデガーの顔面にヒットした。

ハイデガー「ギャッ!!」
ステッドラー「…ぺっ」

電子頭脳の透明カバーにピシッとヒビが入った。
仰向けに倒れ込んだところに唾を吐きかけられる。

ステッドラー「お前のような部下はもういらぬわ!! 最高幹部の地位を剥奪する!!」

ステッドラーはそのまま立ち去った。
一人残されたハイデガーはワナワナと震えていた…。

リハーサル用のスタジオに入るなりステッドラーは叫んだ。

ステッドラー「おい!! モーカリマッカーはいるか?!」
モーカリマッカー「はい、ここにおりますです。総統、何か御用でしょうか?」
ステッドラー「今週出撃させるアクメロボは用意が出来ているか?」
モーカリマッカー「ライヌマーめに急がせておりますが、よもやアスペル・ギルスが倒されるとは考えていなかったようで…。少々時間がかかります」
ステッドラー「そうか。ではその場しのぎでも何でも良い、何か適当な戦闘メカを用意してハイデガーを乗せて出撃させるのだ!!」
モーカリマッカー「…と、いいますと?」
ステッドラー「あいつは私の仕事の邪魔ばかりする。最高幹部の地位は剥奪したから特攻させるがよい!!」
モーカリマッカー「はは〜っ!! かしこまりました!」

モーカリマッカーは一瞬、驚いた様子を見せたが、顔色も変えず平伏した。
例え自分の息子を殺せという命令であっても受け入れるだけの覚悟を決めているのだ。
まさに臣下の鑑であった。

アイキャッチ「ガングリ…オ"オ"オ"ォォ――――ン!!!」

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