超合体★アクメロボ ガングリオン 26
そして翌日の夜。
軽く夕食を済ませたコリンと彩音は自分の部屋に戻るふりをしてこっそり玄関を出た。
しかし振り向くと鈴音が見送りに出て手を振っている。
鈴音「夜のデートもいいけど、補導されないように気をつけるのよ〜!!」
彩音「がくっ!! バレてた…」
2人がやってきたのは近所の公園だ。
コリン「カミング! ガングリオ――――ンッ!!!」
右手首のブレスレットをかざしてコリンが叫ぶと、空中の一点がキラリと光る。
ガラスでも割れるように夜空に大きな亀裂が入り始め、やがて巨大なロケットが姿を現した。
普段のガングリオンは飛行形態『ガングリ・ウィング』に変形して人間の目には見えない亜空間に格納されているのだ!!
コリン「行くぞ彩音!!」
彩音「うんっ!!」
ガングリ・ウィングから発射されたトラクター・ビームは2人をコクピットへと運んでいく。
コリン「ガングリ・ウィング発進ッ!!」
ガングリ・ウィングは東京湾に向かって全速力で飛び出した。
一方、東京上空ではシャルルの乗るアスペル・ガーMk−IIが暴れまわっていた。
シャルル「早く来たまえコリン君!! ぐずぐずしていると東京中が火の海になるぞ!!」
ズビューンッ!!
アクメキャノンが命中すると東京都一本庁舎は真っ二つにちぎれ、ガラガラと崩れ落ちてゆく。
グワーン!! ゴゴゴゴゴ…!!
3本の巨大なトゲのついたアスペル・ハンマーが第二庁舎を貫くと、凄まじい土煙を上げて倒れ込んだ。
火の海を逃げ惑う人々を尻目に、悠々と飛行するアスペル・ガー。
その姿をTV局の報道ヘリが追いかける。
アナウンサー「ご覧下さい!! 先週の攻撃にも持ちこたえた東京都庁がガラガラと崩れてゆきます!! 我々は宇宙からの侵略をこのまま手をこまねいて見ていることしかできないのでしょうか?!」
ガシッ!!
突如向きを変えたアスペル・ガーの巨大なツメががヘリを鷲掴みにした。
シャルル「目障りな飛行物体だ。こうしてやる!!」
アナウンサー「うわわっ!!! 私たちは破壊の限りを尽くす侵略ロボに捕まってしまいました!! 先週、我々の日本を守ってくれた謎のロボットよ、早く来てくれ!! ああ――ッ!! もうダメです!! 皆さんさようなら、さようなら、さようなら!!!」
メキメキ…!! ボンッ!!! ヘリコプターはあえなく爆発した。
シャルル「わはは、下等生物どもよ!! ステッドラー総統の下にひれ伏すのだ!!」
キーン!!
ガングリ・ウイングが到着したのはその直後だった。
彩音「わ〜っ大変!! 東京がメチャメチャだわ!!」
コリン「しまった!! 一足遅かったか?!」
シャルル「コリン君、ようやく来たか。待ちくたびれたよ!! 相変わらず私を焦らすのが上手だね!!」
コリン「ここじゃ皆に迷惑がかかる!! シャルル、早く海に出ろ!!」
シャルル「言われなくてもそうする!!」
コリン「チェンジ・ガングリオン!! セット・オン!!」
コリンの掛け声と共にガングリ・ウィングはロボット形態へと変形する。
主翼が機体内部に収納され、機首の部分は2つに分かれて背面に回った。
肩当てがスライドして大きく開くと両腕が伸びる。折りたたまれていた脚部も展開。
そして頭部がせり上がり、収納されていたアンテナが飛び出した。
ガングリオォォ…――――ンッ!!! 咆哮が響き渡った。
コリン「ガングリオン・ハイパーモード!! 彩音、頼んだぞ!」
彩音「うん、わかった!! 必ず芽衣ちゃんを救い出してね!!」
彩音の身体がアクメ・リアクター内部に吸い込まれてゆくと、ガングリオンは発光して海上に飛び去る。
シャルルのアスペル・ガーもそれを追って発進した。
ギャン! ギャン! 2つの機体は激しくぶつかり合いながら交錯した軌道を描き、どんどん上昇する。
先日の戦闘ではガングリオンに圧倒されていたアスペル・ガーは猛烈なアタックにひるむことがない。
シャルル「どうだコリン君! 君のガングリオンに負けないパワーを手に入れたぞ!!」
コリン「何を! 父さんの作ったガングリオンが急場しのぎのアクメ・リアクターに負けるわけがないんだ!!」