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使命
官能リレー小説 - SF

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使命 1

「あ…ダメ…やめて…!」
僕はその言葉を無視し、彼女の赤く染まった頬に浮かぶ汗の雫の上に唇を重ねる。
「やだ…汚いわ…」
「汚くなんかないよ…君の物なら何でも…」
その言葉に彼女は更に顔を赤らめて目を逸らす。
僕はその仕草にたまらない愛おしさを感じ、彼女の膣内に挿入した自身の男根を更に奥、子宮の方へと進める。
「アァン…!」
快感を感じた彼女は可愛らしい喘ぎ声を漏らす。

僕達には名前が無い。必要無いからだ。ここには僕達以外の人間はいない。呼び合う時には「おい」とか「ねえ」で済む。
僕達は僕達以外の人間と会った事が無い。産まれた時から2人っきりだった。
僕達の両親の故郷、地球という星には百億の人間が住んでいるというが、そんな状況、僕達には想像もつかない。

科学の進歩によって人口が増えすぎた人類は、地球に代わる第二の故郷となる星を求めて、見込みのありそうな幾つかの惑星に向けて調査船を出した。しかし、その距離は果てしなく遠い物であり、とても一人の人間の寿命の内にたどり着ける物ではなかった。
そこで考え出されたのが継世代航法。宇宙船に男女が乗り込み、子を成し、その子もしくは孫の世代に目的の星にたどり着くという方法である。

僕達が目指すB645という惑星にたどり着くためには3世代を要するという。
だから最初この船には4人の男女…すなわち僕と彼女それぞれの両親が乗っていた。
僕達は親の顔を知らない。彼らは僕達を産んだ直後、自ら船を降り、暗黒の宇宙空間に身を投じた。
船のエネルギーを節約するため仕方のない事だ。
僕達もいずれ子供が産まれたら、彼らと同じ運命をたどるだろう。
産まれた子の面倒は船のコンピューターが全て見てくれる。僕達がそうであったようにだ。

「出すよ…?」
「うん…来て…!」
そう言うと彼女は僕の体に手足を絡ませる。僕もそれに応え、彼女の体を強く抱きしめ、ありったけの精液を彼女の子宮目がけて注ぎ込んだ。

「私、幸せ…」
快感の波が去った後に訪れた気怠さに身をゆだねていると彼女が口を開いた。
「だって私にはアナタがいるもの」
「僕も、君がいるから幸せだよ」
「でも…」
彼女は少し寂しそうな表情で言う。
「私達の子は一人っきりなのね…」

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