俺とアマゾネス剣奴と巨乳姫剣奴 1
ここは"剣の街"セイバーポリスの大闘技場…
数多くの剣闘士や格闘士、捕虜や猛獣が闘志と肉体をぶつけ合い、汗と血と白いものを流してきた戦いの舞台だ。
この俺、ゲオルグも剣闘士の一人だ。
目の前の奴の剣を弾き、そのまま首元に突きつける。
「待て!俺の負けだ!」
「勝負あり!!"黒雷"ゲオルグ!決めました!"虎牙"アウザールを破りました!!これで50勝目です!!」
観衆の歓声が円形闘技場に殷々と響き渡る。
アウザールに賭けていた客がそこここで悔しがっている。
「おめでとう。よくやってくれた。これまでの君の働きに報いようと思う」
「ありがとうございます!」
元剣闘士のストバル親方は俺と握手しながら、俺の肩を軽く叩いてくれた。
夜になって、訓練場では親方が俺達剣闘士や格闘士を集めた。
「ゲオルグ、お前も50勝を挙げたな。私も鼻が高いよ」
「ありがとうございます!」
「うぉ!ゲオルグ!やったじゃん!」
「うらやましいぜ!」
「先輩すごいっすね。おめでとうございます」
「君の実力はこの訓練場ではエリックに次いで二番目だろう。だから、そろそろ付き人が付いても良い頃だと思う…そこでだ」
親方がいきなり言葉を切った。親方がこういう言い方をする時は、単純に喜べない事を持ってくるんだよな。
何か面倒な予感がする。
「リデネーレ」
「……」
呼ばれた名前を聞いて、そいつが無言のまま出てくる。周囲を拒むような硬質の空気を漂わせて。
祝うムードだったこの場の空気が一瞬で入れ替わっちまう。仲間達が、石を放り込んだ池のようにどよめきを広げた。
しなやかで美しく、筋肉も程よく乗った野性的な肢体。だが漢なら真っ先に目を奪われるのが、胸に二つ実ったメロンのような大きな胸。貴族のお嬢様でもこれをお持ちの方はそうはいない、素晴らしい果実。その持ち主が、アマゾネスのリデネーレ。
親方…まさかこいつっすか?
俺は彼女をまじまじと見つめ、それから親方に視線を戻した。
「新たにリデネーレをゲオルグ付きとしよう。君はこれからゲオルグの世話をしながら剣奴としての腕を磨くのだ。
もちろんゲオルグ、ちゃんと指導するようにな」
「は、はあ…!」
「……仕方ないね」
何かを吐き捨てるように、それだけを言いやがった。
「私からは以上だ。それとゲオルグは一刻後にリデネーレを連れて私の部屋へ来てくれ。それでは皆、また明日な」
「「「「お疲れさまでした!」」」」
ストバル親方が下がっていくと、多くの連中がざわざわと喋りだした。
「女の付き人かよ!いいな!」
「どうすんだよ…」
「あの娘、大人しくいう事聞くのかしら?」
「よりによってリデネーレか?本当に報奨なのかこれ」
「ゲオルグ…」
仲間たちの妬みもちょっと入った心配の声がつぎつぎにかけられる。男だけでなく女もいる。
うちの訓練場は師匠としてまとめてるストバル親方が頼りになる立派な親父だからか、雰囲気や仲間内の関係は悪くない。
連中に感謝しようとして、うぉっと!
ばしばしと背中を叩かれた。
「お前も付き人持ちか!よかったな!だが責任重大だぞ!」
「チャンピオン」
俺の肩を抱く大男は闘技場のチャンピオン、"砕き屋"エリックだ。その横にいる可愛い美人は付き人の女剣闘士ユーリエだ。
ユーリエがチャンピオンに寄り添いながら言った。