PiPi's World 投稿小説

大地母神の神殿
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 6
 8
の最後へ

大地母神の神殿 8

楽しく冒険譚の話をしていたら、林の奥、やや高くなった場所に廃墟、いや石でできた遺跡があった。周囲は林以外何もなく、なんとなく、林で隠されているようでもあった。

「あれって…?」
「廃墟…?」
「何か、昔の遺跡らしいぜ?この地に教会ができる前からの」
「昔の遺跡かぁ…」
「面白そうだな。ちょっと見てみないか?」
「もう、フランソワったら」

男の子らしい冒険心と好奇心で、フランソワが言いだした。
シオン、エレーネ、ナタリーもそれに引っ張られる形で、遺跡を見てみることにした。
光の女神より前の遺跡だからだろうか、これと言った案内板も無く、簡単な柵で囲われているだけの、石造の廃墟。
作りからして神殿だったのだろうと四人共思った。
見ているうちに、シオンはよく見てみたい気持ちが妙に強くなっていた。
何も言わずに、柵の中に入って遺跡の中を歩き始める。エレーネが慌てて呼ぶ。

「あ、待ってよシオン!」
「ごめん、どうしても見てみたいんだ」
「そうこなくっちゃな!」
「もう!フランソワまで!」

フランソワもその気になってしまい、エレーネとナタリーも彼を追うように遺跡に入っていった。半ば失われた屋根と列柱、その内側に所々崩れかけた壁がある。
おそらく正面入り口だったらしい階段はほぼ残っており、そこから四人共入っていった。


「綺麗……」
「荘厳だね」
「ええ、それに、何だか優しい気持ちになるわ」

エレーネは、入ってすぐその一言を言った。屋根の所々が崩れて、その穴から射す日光が、どこか優しく内部を照らしていた。シオンがその言葉に応じた。
その光を受けてか、建物の中には小さな草木が石の床の隙間から生え、壁や柱は、蔦に覆われつつあった。そのためか、生命感によるものであろう、優しさを感じさせた。
すでに廃墟と化した建物だが、この建物を建てた職人たちはよほど良い仕事をしていたのだろう、そう思わせるだけの威厳を、この廃墟は今も持っていた。
そしてシオンは、どこか懐かしいような気持がしていた。

「どんな建物だったんだろうね」
「神殿かしら」
「何だか素敵…」
「とりあえず見てみようぜ」

中には、道具らしいものは残っていない。あちこちに草や花が生えつつある、広間だ。
四人は、荘厳な廃墟の中を、ゆっくりと進む。
すると、壁にいきあたり、祭壇のようなものがその手前にあった。その背後の壁際には、誰かの像であったのだろうが、上半身が崩れ今は残骸となった石像があった。

「どんな像だったんだろう」
「女神様より昔の神の像かな」
「足腰は女性のようだけど…」

その像を見ていたシオンは、不意に感じるものがあった。
視界が、光に包まれる。だが不思議と、眩しいとは感じなかった。


光が消えた時、彼の目の前には、あの時の女性が陽だまりに照らされて佇んでいた。



「ああっ…!!
やっぱり…やっぱり僕の記憶は間違ってなかった!そうですよね!女神様!」
「シオン…ずっと私の事を覚えていてくれたのですね。嬉しいわぁ…」

そう答えたのはシオンの目の前に居る一人の美女であった。
これが、冒頭にあった彼女との再会であった。


豊かに実った麦畑を思わせる黄金色の髪はフワフワと風になびき、その顔立ちは例えようも無いほど美しく、母性を感じさせる優しげな微笑みを浮かべている。
一方、首から下は全身ムッチリとした豊満な体型であり、古代の人々が身にまとっているようなゆったりとした白い衣服の裾から見え隠れする二の腕や太もものムチムチとした肉付きがたまらなくイヤらしい…。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す