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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 47

「もう魔獣を服従させる守護お化けもいない。禁を平気で犯すアヴィもいない。そしてそれらが施した封印ももう僕には効かない。それでも戦うって言うなら君たちが最後の一兵になるまで相手してあげるよ?」
「ひぃ、いいいぃ」
消えそうな悲鳴を洩らす次期皇帝。
「もう答えは黄身の中で出てるはずだよ?言い出すタイミングが取れない?だったら手伝ってあげるよ。じゅ〜ぅう。…きゅ〜ぅう。…はぁ〜ちぃ。」
お風呂で数えるよりゆっくりとカウントダウンを始めるとグランディスは僕と次期皇帝の間に割り込んできた。
「だからカズキ殿!我らは同盟を…」
「ゼロか1か。敗北か死か。なぁ〜なぁ。…ろぉ〜くぅ。さあ、もう半分になっちゃったよ?」
「時間を!我らだけで帝国の一大事を決することなどできるはずがない!だから…」
「じゃあ、決めやすいようにしてあげようか?」
そう言って僕は右手を上げるとロザリアを警護していた外側の兵が手にしていた武器を掲げた。
僕がいなくなってもきちんと従ってくれることに僕はウンウンとうなずいた。
「なにをするつもりだ!?」
構える兵士達にグランディスは殺気立つ。
「相談相手を減らせば時間を短くできるでしょ。手始めにここにいる人たちを一掃しようか。それくらいなら待ってあげるよ」
そう言うと次期皇帝は自分も含まれていると思ったのか腰を抜かしてハイハイで扉を目指した。
ライザが死んで帝国がゴタゴタしたのをいいことに実権を握りたい貴族達に担ぎ上げられた絵に描いたような傀儡に僕は少し不快感を隠せなかった。
先回りして見下ろすと必死で絨毯を掴む手を踏みつけた。
ポリポリと何か弾ける音が足の裏に響く。おそらく手の骨が砕けたのだろう。
「ごぉ〜お、よぉ〜ん…」
「助けてぇ!!助けてくれるなら降伏するからぁ!!」
踏みつける足を持ち上げようと足をつかみながら命乞いをしてきた。
だが、しっかりと生存を条件に降伏してきた。したたかなのか乞いなれているのか。
大広間で国民、特に重臣達が見ている前での降伏宣言だったのでその後はさくさくと事は進んだ。
エーデルラントはノイエンタールの支配下に置かれ、ロザリアがその頂点に就いた。
エーデルラント軍残党狩りがしばらく行われた。
その時、陣頭指揮はオリビアと説得役のグランディスで僕は参加させてもらえなかった。
理由は全滅させるからであった。
ノイエンタールもエーデルラントも建て直しには人手が必要だから無用な消耗は控えたいということだ。
その間、僕は漁夫の利を狙った自分の国を築こうという傭兵団や蛮族をいたぶって遊んでいた。
部下にはライザの寝室に鹿の頭のトロフィーよろしく剥製にされていたのを復活させたウルサを部隊長にして20人ほどの部下をつけ、天使と使い魔を数人従わせた。
100人を超える敵も物ともせず僕好みの光景を作ってくれた。
荒野に数で優勢と見て襲い掛かってくる蛮族をウルサ達は逆に少数で取り囲んで殲滅戦に持ち込む。
1兵たりとも逃さず荒野の養分に変えていった。
僕は伏兵を見つけては背後から襲い掛かり驚いて浮き足立つのを楽しみながら襲い、犯していった。
命乞いをするのもお構い無しに引き裂き、いたぶり、忠誠を口にした兵だけを復活させてウルサの下に就けた。
そして後方に控えていた同属にぶつけたりしてその戦いぶりを観戦した。
しかし、ノイエンタールの情勢が落ち着いていくとそういった襲撃が無くなり平和になってしまい僕達は手持ち無沙汰になってしまった。
エーデルラントは元から強国で、ノイエンタールはそれにおいそれと手を出してくる国はいなかった。
これは拷問されていたときとは対極的に気が狂いそうな苦痛だった。
「ノイエンタール見放して自分の国を作るのは面堂だし、農耕を支えるのに目を配るのは退屈だ」
そんな事を考えながらぼけっとしてたらわき腹に衝撃が走った。
振り向くと少年がダガーを小脇に抱えてぶつかっていた。どうやら洗礼を受けたダガーらしいけど僕の服にすら傷を付けられないでいた。
女の兵は選別してから捕虜にするけど、男は討伐隊指揮向上に優先的に捕虜にていた。
その後方搬送された少年捕虜が一瞬の隙を付いたのか僕に襲い掛かってきた。
これは護衛に御仕置が必要だ。そう思いながら少年捕虜の首を捕まえた。
少年はガタガタ震えながらも僕を睨みつけ、
「なぜこんなことを続けるんです!なぜその力を持って平和に導こうとしないのです!?」
的なことを震える声で吐き出した。
僕は少し考えた。この勝手に人を呼び出しておいて一方的に思考を押し付けるこの世界の人間を。

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