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異世界のリョナラー
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異世界のリョナラー 2

元々は女が支配する世界だったらしいのでいたぶらせるのにもってこいだった

…というのも、この世界は男女比が2:8と圧倒的に女の方が多い。文明も社会も中世レベルだが女の社会的地位は高い。農民、商人、職人、軍人、貴族…あらゆる階層・職業に女が就いている。
しかも人口比から、男は重宝がられるが女は軽んじられる傾向にある。例えば伝染病が蔓延したりしたら、男は貴重な薬を与えられ優先的に治療を受けられるが、女は道端に死体が転がっていても誰も片付けようとすらしない。戦争の時は女は使い捨ての雑兵にされるが、男は指揮官の補佐や物資の輸送など後方の比較的安全な部署に配属される事が多いのである。女の命は紙クズ同然!…僕が来たのはそんな異常な世界だった。

そもそも何で僕がそんな世界に飛ばされたのかと言うと、召喚されたからだ。僕を召喚したのはある国の女王だった。
「おお!良く来てくれました。我が国の救世主よ」
「…は?」
晩飯前に風呂に入ろうと、脱衣場で服を脱ぎ、風呂の戸を開けようとした次の瞬間、目の前が光り輝き出した。光が収まり気が付くと、僕は素っ裸で王宮の大広間に設けられた魔法陣の真ん中に突っ立っていた。
「…OK、わかった、どうなってんの?」
僕は全く状況が理解できなかった。確か僕は風呂に入ろうとしていたはずだが…ここは…お城?なぜだ!?しかも周りには中世ファンタジー風のドレスや鎧に身を包んだ女女女の人だかり。恥ずかしいったらありゃしない。
「古き言い伝えに従い異世界から来られし救世主よ、我がノイエンタール王国は今、邪悪な侵略者によって脅かされようとしています。どうか我が国の危機をお救いください」
僕が呆気にとられていると、頭にティアラを乗っけた金髪碧眼の美女が進み出て来て僕に頭を下げた。彼女が僕をこの世界に召喚した張本人にして、このノイエンタールとかいう国の女王、ロザリア・ド・ノイエンタールだった。

女王の話によると、このノイエンタール王国は今、滅亡の危機に瀕しているらしい。強大な軍事力を持つ隣国エーデルラント帝国に侵略されている真っ最中なのだそうだ。そこで名高い魔術師でもある女王は『国が危機に陥った時、異世界から救世主が現れて国を救う』という、ありがちな古(いにしえ)の伝説に従って召喚の儀式を執り行い、僕が現れたのだという。
「…という訳で救世主よ、この国を救ってくださ…」
「ふ…ふざけんな!!僕は普通の中学生だぞ!?軍隊相手に戦える訳無いじゃないか!早く僕を元の世界に戻せ〜!!」
僕はキレた。当たり前だ。何が哀しくて異世界の紛争なんぞに肩入れしてやらなきゃならないんだ。この国の事情には同情するが、命をかけて守ってやる義理なんて全く無いし、僕一人がどんなに頑張ったって軍隊を退けるなんて無理だ。こんな訳の分からない事に巻き込まれてたまるか。

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