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デッドエンド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デッドエンド 141

わかってくれたかとほっと胸をなで下ろす。だが、彼はいつまでも腕を離そうとしなかった。
「…リオン?」
「一緒に入りましょう。背中流したげます」
こいつは…!
しれっと口にされた言葉に、軽く、殺意に似たものがわき上がった。
「していらん」
「遠慮しないで」
「してな…ちょっ…うわっ、放せ!」
詮無いつっこみを入れかけたところで、リオンは焦れたようにぐい、と腕を引っ張った。
「大丈夫、何にもしませんから」
立っているのも億劫で、力ずくで払いのける気力が起きなかった。
リオンの言葉を信じたのはそのせいだ。自分の都合の良いように、判断してしまった。
背中を流すだけでは済まないことくらい、予想してしかるべきだったのだ。

かけられた精液や汚れを洗い流すべく泡立てたスポンジを操っていたリオンの手が、意思を持って愛撫を始めたときにも、ただの戯れだと思い込んだ。
最後までするつもりとは思わず、もうどうにでもしろと、投げやりに身を預けていたら、壁に追いつめられ、押しつぶすように背後から囲い込まれてしまった。
背にリオンの体が密着した。腰に、またしても硬く勃ち上がったものが押しつけられるのがわかる。そこまできて私は、ようやく慌てた。
が、遅かった。
振り返って突き飛ばそうとしたとき、片脚をぐいと思い切り持ち上げられた。
バランスを崩し、前方の壁に手をついて突っ伏す形になる。リオンの片手が腰を掴んだ。
脚は大きく開かされ、背後から秘部に侵入しようとするものを防ぐ手だてはなかった。

とりあえず、リオンの『一回だけ』と『何もしません』はあてにならないということだけは身にしみた。

ようやく全てが終わったあと、ぐったりと力の入らない体をされるまま洗われた。
かしずかれるように丁寧に水気を拭き取られ、服を着させられ、半ば抱きかかえられながら浴室を出る。

部屋には、いつの間に起きたのか、レネーの姿がなかった。

「…あいつ起きたのか」
聞かれたかな、とリオンが首をかしげた。
浴室での物音のことだと、少し遅れて気付いた。
できるかぎり抑えたつもりだが、遠慮会釈もなく責め立てられるさなか、全く声を上げなかったとはとても言い切れない。
リオンがさすがに気遣わしげにこちらをうかがうのがわかったが、私は何も言わなかった。
疲労と、焼け付くような心地の余韻に頭がぼうっとしていて、羞恥や腹立ちを覚える余裕がないのだ。小さなテーブルの前に一脚だけ置かれた椅子に座ってこめかみをおさえる。怒られないことに安心してか、リオンが椅子の背後に回った。

「?」
軽く髪を引っ張られる。反射的に振り返ると、リオンはブラシを手ににこにこと笑っていた。
「…何してる」
「見りゃわかるでしょ?」
確かに、一目瞭然だった。…髪をとかしているのだ。

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