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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ 63

フリッツは焦った。
実はこの亡命案はガルラドには聞かれたくなかったのだ。
ガルラドは誇り高い鬼族の男だ。
男達が女子供を守る役目を放棄して、彼女達の命を他の種族に預ける…そんな事を許すとは思えない。
最悪、女子供を引っ張り回しながら戦うなどと言い出しかねない。
しかし、次にガルラドの口から出て来たのはフリッツの予想を良い方向に裏切る言葉だった。
「確かにそうだな。残念ながら現在の我々には女子供を連れて戦い続ける余裕は無い。それにピピの侵略の脅威が高まっている現状下でなら、魔族も鬼族を害するような事はしないだろうしな…」
「ガルラド…」
彼も成長していたのだ。
「男子、三日会わざれば刮目して見るべし…ってやつよ」
そこにもう一人、フリッツの良く知っている人物が姿を現した。
「ミザリィじゃないか!そう言えば君もバレッタとアリリアーナと同じグループだったね。ひょっとして僕やガルラドが助けに来る事は占いで予測済みだったかい?」
「ダメダメ。コレが壊れちゃったからさ〜」
そう言うとミザリィは腰に下げた袋から何かを取り出した。
それは彼女がいつも占いの時に使っていた水晶玉だったのだが、中央に大きくヒビが入っていた。
「逃げる途中で落としちゃって…。私はこの水晶玉を媒体にして人の未来を見るから……あ!」
突然、ミザリィは何かに気付いたように固まった。
「ど…どうしたんだい?ミザリィ」
彼女の視線の先には一人の鬼族の男がいた。
ガルラドと共に彼女達を助けに来たゲリラの一人だ。
彼もまた、こちらを見て驚いたように目を丸くしている。
…と次の瞬間、ミザリィの瞳から涙がポロポロとこぼれ落ち、彼女は彼の元に向かって駆けて行った。
さらに、バレッタもそれに続く。
「フィランツ!!」
「お父様ぁー!!」
「ミザリィ!!バレッタ!!」
それを見たフリッツは「あ!そうか」と納得した。
彼はミザリィの夫…バレッタの父親だったのだ。
三人は強く抱き合った。
「フィランツぅ〜!!会いたかったよぉ〜!!私、あなたと離れてからずっと心配で心細くてぇ…!!」
子供のように泣きじゃくりながらフィランツにすがりつくミザリィ。
それは男を恋い慕う一人の女であり、占い師兼娼婦をしていた頃の彼女からはちょっと想像出来ない姿だった。
鬼族の男の熱烈な愛情を毎日受け続けた女ならば誰でもこうなるのだ…。
ところが、ちょっと様子がおかしくなってきた。
「フィランツぅ〜!私のオマ○コ見てぇ?あなたのオチ○ポが恋しくて恋しくてこんなにグチョグチョになってるんだよぉ?」
「あぁ…ミザリィ!」
何と、ミザリィとフィランツはお互いの腰布を外して性器を露出させ、愛撫し始めたではないか。
「え…えぇ!?」
フリッツは我が目を疑った。
まさか、こんな衆人環視の中で夫婦の営みを始めるつもりなのかコイツら…!?
見渡すと、他にも夫婦と思しき男女があちこちで感動の再会を果たして睦み合っている。
目のやり場に困っているフリッツにアリリアーナが言った。
「フリッツ様、何を動揺していらっしゃいますの?」
「えぇ!?き…君は単独でも人の心が読めるのか!?」
「見ただけで分かりますわ」
「うぅ…」
うつむくフリッツ。
実は彼、かつてビリーに愛の告白をしようとした前夜、ミザリィに逆レイプ同然に童貞を奪われて以来、セックスというものをした事が無かった。
ここ数ヶ月、鬼族と行動を共にし、女性の裸に対する心理的抵抗は無くなっていたが、本番行為の方にはまだ免疫が出来ていなかった。
「そう言えばフリッツが俺達の元に来た時は戦の直前で臨戦態勢だったからなぁ…」
通常、鬼族の夫婦は性器を結合させたまま日常生活を送るが、当然と言えば当然の如く、非常時には結合を解いて男女別々の役割をこなす。
「フリッツ様は鬼族の日常をご存知無かったのでしたわ」

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