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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 84

話を聞き終わると、ロッソはプハーと煙を吐き出した。
そしておもむろに話をきりだす。
「モンデールのファニー王女を捕獲したのは僥倖だ。だが、フローラ王女を捕まえたのはいかにもまずい」
まずいと言われてムッとしたのか、カリンカは反論する。
「フローラ姫はかなりの上玉で、おまけに処女ですよ。高く売れますよ」
高く売れると聞いてもロッソの顔は動かなかった。
「おめえよ、協定の内容を忘れたわけじゃねえよな、ドーリス国内の女を攫ってここで売るのはご法度だ」
「それはッ」
「黙ってりゃ分からんかもしれんが、もしばれたら大事だ。ギルバーン様を通してクライフ総督に送り返す。無論侍女を含めてだ」
カリンカにとっては大いに不満だが、市場の元締めに逆らうわけにはいかない。
「ファニー王女はどうしますか」
「それは問題無い、高く売れる相手を知ってる」

「それは??」
ロッソはニヤリと笑っていった。
「そんな方はあの方しかいねえよ。魔王グリンデだ。」
「ではフローラ姫も一緒に売ってしまえば。」
儲け話を諦めきれない彼女は食い下がる。だが。
「馬鹿かお前は。そりゃあの方は2人とも高く引き取ってくださるだろうが、それをしたらドーリスの軍勢が来るぜ。いや下手するとモンデールなどの軍勢までが一緒にやってきて文字通りこの街の魔物は皆殺しだぜ。」
いきなりかなり低い声になったロッソは彼女を睨み据えて言い放った。
その迫力に気圧されたカリンカは無言で頷く。

これは・・・・。Hな仕込みなんかできないわね・・・・あのクラゲの件は隠し通せるとは思うけど・・・。

「それとだ。まさかとは思うがふたりの姫にはHなことは一切してないだろうな。してたらどっちもあとが厄介だぜ。」
「まさか、そんなことしないわよ。」
考えを見透かされたかと思ったがかろうじて冷静を取り繕い彼女は答えた。
「あ、でもフローラ姫はともかく、ファニー姫のほうは多少仕込みをしたほうが良いのでは。途中で逃げられると厄介ですし」
「フム、そうだな…」
考えてみるとファニー王女は名うてのジャジャ馬姫で、しかもアイラ島の剣術大会で準優勝するほどの腕前だ。
このまま何もせず、ただ監禁するだけというのはいかにも芸が無い。
ここは一つ躾けておくのも悪くない。
「分かった、ただし時間はあまり無い。四日後の朝には積み込めるようにしておけよ」
「了解しました」
そう言って嬉々として部屋を出てゆくカリンカだった。
「それにしても間が悪いな、後もう少し早ければモンデールから攫ってきた女達と一緒に運べたのにな…」
そう言いながらスパスパとキセルをすうロッソだった。
さて、そんなカリンカの淫謀など露知らず、ファニーはのんきにお風呂に入ってました。
「う〜ん、まさかここで風呂に入れるとは思わなかったわね」
しかも大浴場でなく、個別の部屋風呂だ。
最初は牢屋に入れられるのかと思ったら、案内されたのは普通の部屋で、果実や飲み物それにこんなお風呂まで用意してあったのだ。
蛇口をひねるとお湯がでて来たので、風呂に入る事にしたのだ。
のんびり湯船に浸かっていると、トントンと浴室のドアを叩く音がした。
「失礼します。御体を洗いに参りました」
「エッちょっと待ってよ」
慌てて押しとどめようとするも、浴室のドアは開けられてしまう。
「失礼します。ファニー様のお世話を仰せつかりましたメーナと申します」
入ってきたのは10歳ぐらいの少女だった。
銀色の髪をショートカットにした、可愛らしい少女だったが、額に生えた角が人間でない事をあらわしている。

「お体の方を清めさせていただきますので、どうぞ湯船からおあがりください」
ファニーはあくまでも遠慮したかったが、メーナがどうしてもというので、仕方なく受ける事にした。
ファニーが座椅子に腰掛けると、早速メーナがスポンジを泡立てながらやってきた。
「それでは失礼します」
それから手の指先から順番に洗い始めた。
メーナの手つきはかなり巧妙なもので、心地よいものだった。
手と肩を洗い終えると、今度は自分の胸に泡をこすりつけて、ファニーの背中を洗い始めた。
「あの、ちょっとなんで胸で洗うの」
「あれ、ご存じないのですか、これは泡踊りといって殿方は皆これをやると喜ぶんですけど、気持ちよくないですか」
「いやなんと言うか…」
背中にメーナの堅い乳首があたるだけで、大して気持ちいとも感じないのである。
「そうですか、うちのお母さんはこれだけで何人者お客さんを満足させているのですが、まだ修行が足りないようです」
メーナはしょんぼりしてうなだれる。
それを見てファニーはあわてて話題を変える。
「えっと、メーナちゃんのお母さんていつもこんな事してるの」
「はい、お母さんはルーグ一番の泡姫と知られています」
「へー、そうなんだ」
(泡姫ってなんだろな・・・)
そう疑問に思ったが、メーナが母親の事を誇りに思っているので聞かない事にした。

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