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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 58

「あとこれだけ残りました。」
魔導ケースに詰められた2本の小瓶。長期保存用のケースに詰められたヌシの精液だ。これだけあれば数名の女性を妊娠させられるだろう。
「そうか。わかった。それはくれぐれも厳重保存だ・・・・・ロール、リール、お前たちもこれから子供を生むのだ。体を大事にな。」
最後は妹への愛情のこもった眼で二人を見る。
「はい。わかりました。」
「兄さま、ありがとう。」
嬉しそうに二人は応じた。彼女たちもこの作戦に志願しており、自分たちの胎内にヌシの精液を注入したのだ。
妹たちが退出した途端、彼の表情が曇る。自然に言葉が漏れた。
「なんということだ・・・。目的は達した以上作戦は成功だ。だが、わが魔法が奴らに対しては十分には通じなんだ・・・・。我ら一同、ますます修行せねばならんな・・・・。」





さてこちらはファニーたち。
相変わらず時折洞窟内から幸せそうな嬌声が漂ってくる。
洞窟からそう遠くない場所で焚き火をし、テントを張っているファニー達にもその声はばっちり聞こえていた。
(…やだなぁ…人があんなことしてる声聞くなんて…)
ファニーはテントに入っていた。 ライズが寝ている傍らで看病しているのだ。
もっとも、ずっと眠り続けているライズに看病など必要ないのだが、それでもファニーとしては感謝の気持ちでしているのだった。
今回、ライズは必死に自分を守るため働いて、こうなったのだから。
だが、ファニーの心の片隅には、性の快感に困惑していたのだ。
(…なめられちゃった時…気持ちよかった…)
あのときの感触を思い出すと、お腹の奥から熱い何かが吹き出してくる気がする。
(あのまま最後までいったら、どうなっていたのかな・・・)
ファニーはヌシに犯されてる、女デーモンの顔を思い出していた。
苦しそうだが、とても満ち足りた顔だった。
(私もするときは、あんな顔になるのかな・・・)
今のファニーには、セックスするとき、自分がどんな顔をするのかなど、想像の範囲外の出来事だった。
悶々としているところで、ライズが目を覚ました。
「ライズ大丈夫なの、どこも悪くない」
ファニーが声をかける。
ライズはしばらくはボンヤリしていたが、次第に意識がはっきりしてきたようだ。
「どうやら無事に済んだようだな。姫さんに何事もなくて良かった」
しかし、ファニーはライズの方が危険だったのではと考える。
あのヌシに対して、土下座するなど常人にはできる事ではない。
もしヌシが土下座しているライズに、怒りにまかせて爪を振り上げたら、さすがのライズでもよけられるかわからない。
一撃で死亡という事態も、起こりえたのだ。
「どうしてあんな危険なことまでして、私を守ろうとしたの。下手したら、ヌシに殺されていたのかもしれないのに」

そう言われても、ライズはいつものシニカルな笑顔を浮かべるだけだった。
「当たり前だろ、姫様の貞節は黄金よりも貴重だからな。もし何かあったらステファン公子に、面目が立たないからな」
ファニーは不思議に思った。
どうしてライズはステファンのことを気にかけるのだろうか。
確かに婚姻の際に、ファニーが処女であることは重要だったが絶対条件と言うほどでもない。
ファニーとステファンは誓い合った恋人同士ではない、ただ義務として結婚するだけだ。
王族の夫婦は、市井の一般的な夫婦とは違う、中にはそれぞれが公然と愛人を抱えてるケースもあった。
ライズは布団から起き上がる。
幾分か体がダルそうだが問題ないといった表情で武器やマントを身に付ける。
「…まぁ、俺としては姫さんには幸せになってほしいわけさ。
ステファン公子なら間違い無いからな。」
ライズはステファンに会っている。 ライズは自分が知らない婚約者のことを知っている。
ライズは全てにおいて自分より上なのだろうか?
頼れる相手、かな?
「…ところで、ボッキ茸は?」
ファニーはまだ主と少女が洞窟内でしていることを説明した。
「あぁ…この声、あれだったわけね… まぁ、待ちますか…」
ライズは再び布団に座り込む。

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