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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 36

「なんだ?えらくスケベな奴だな。」
「それでこんな可愛い娘さんを二人も連れてるのか。」
「おうドラス、お前の妹たちは絶対に会わせちゃいけないな。会わせりゃ村中の男から俺たちまで恨まれるぜ!」
「なんでそいつを言っちまうんだよ!隠し通すつもりだったのによ!それに会わせないってならカディス、お前の姉貴もじゃねぇのか?」
「違えねぇ。」
獣人の多くが爆笑した。
「まじ?そんなにその娘可愛いの?こりゃ是が非でも会わないわけにはいかないねぇ。」
その中でニヤつくライズ。
その近くではファニーたちが小声で会話している。
「ねえアンナ、ライズって本当に大丈夫なの?」
「うーん・・。ティーエ様の代わりとしてきている以上大丈夫だと思いたいですけれど・・・。」
すっかり獣人達と仲良くなったライズはファニー達を置いて、何処かへ行ってしまう。
「ちょ、あなた護衛が…」
アンナが行こうとするライズを注意しようとするが、ファニーに止められる。
「姫様?」
「えとね、アンナ。 ティーエが言っていたんだけど。
ライズが側を離れても心配無用だって…なんでも、私自身が離れないかぎり何か起こったら三秒以内で対処するって…」
だが、言うファニー自身も信じがたいことだ。 チラリとライズの方を見ると、すでに一人の女を口説いている。 そしてライズから少し離れた物陰では先程の獣人達がライズのことをじっと見ていた。
彼らはすでに村に入っていた。すぐに村の入口にいた一人が奥へ駆けていった。
その後をなぞるようにファニーたちは歩いてゆく。
ファニーたちの周りに広がる風景の中で、村人たちは農作業だったり何かの加工だったり、料理だったり日々の仕事に精を出していた。
犬耳だったり猫耳だったり、それぞれ何かの獣の特徴を体に持っていた。
「あの・・・彼がどうしましたか?」
そんな獣人たちにアンナが聞いた。
「ああ、彼の身のこなし、あれは練達の剣士のものだ。人間にしておくのが惜しいくらいの腕前なんだろうね。それと今の態度との違いが気になってね。」
熊の獣人と思われる一人が答えてくれた。逞しくも理知的な雰囲気で手足には熊の毛が生えている。彼自身は背中に大剣を背負っている。
彼女たちの視線の先では相変わらずライズが猫耳の女の子を口説いていた。
「え?あたしなんかで、いいんでしょうか・・・?」
「いーのいーの。きみみたいな娘がいいんだよ。」
口説かれている娘もまんざらではない様子だ。

「さて、ここでお待ちいただきたい。村の長をお待ちくだされ。」
案内してきた年嵩の獣人が言った。
そこは村で一番大きな家の前庭。大きなテーブルがひとつあり、6人分ほどの席がすでに用意されていた。
「村の長と私たちで4人よね。あと2つは誰のかしら?」
待たされている間にライズもいつのまにか戻ってきていた。
「私にもわかりかねますが・・・。もしかすると引き合わせたい者がいるのかもしれません。」
まもなく村の長が現れた。村長は身長2mほどある大柄な人物だ。他の獣人とは異なり、頭は完全に虎のものだ。
「ようこそ。わしがこの村の長、ゲオルグです。」
虎の頭をした大男が口を開いた。
「手紙は読ませていただきました。私どももいくばくかのお手伝いをさせていただきましょう。ところで、そのためにお付けしたい者がおります。おーい。ジュラーブリク、、ラーストチュカ。」
「はい。」「はい。」
若い男女の声が重なり、家の中から男女1人ずつが現れた。そのうち男性のほうは先ほど解説してくれた熊の獣人だった。女性のほうはそれよりやや若い感じで、同じく熊の毛が生えていて熊の耳を持っているがそれ以外は人間と変わらない美人だった。
「ジュラーブリクです。」
「ラーストチュカです。よろしくお願いします。」
「山頂へ行かれるなら彼らを連れてゆくとよいでしょう。実はこの二人は山頂のヌシを父に、我が村の女を母に持つ者たちでして、日ごろは母ともども我が村に住んでおりますがヌシとも仲良くやっており、今は村とヌシとの連絡係のようなことをしております。」
「うそ・・・」
「ヌシの子供が・・獣人なんですか?」
「はい。この体格は父譲りですよ。最も私自身もわずかながら鍛錬しております。」
「兄さまの発言は謙遜が多いから、2倍にして聞いておくとよいですよ。」
「これ、ラーストチュカ、そういうことを言うものじゃないよ。」
「改めて自己紹介します。山のヌシ、ムリヤが息子、ジュラーブリクです。少し剣を嗜んでおります。」
ジュラーブリクが一礼する。そして。
「あたしの名前はラーストチュカと言います。横にいるジュラーブリクと同じく、山のヌシ、ムリヤの娘です。兄ともどもよろしくお願いします。」
ラーストチュカも可愛く一礼した。
これにファニーたちも答え、自己紹介する。

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