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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 267

引かれた後を遅れて赤い筋が伸び、そして広がっていく。
レイは顔を顰めた。
痛みではなく背筋から頭に走る電流の様な衝撃とそれに点火されたように火照る自分の体に嫌悪を感じていた。
左手を握りしめると拳の中から血が溢れて床を濡らす。
(治療を受けようともこれは治らないのか。)
日常生活に差し支えないが、迂闊にドアに指を挟んだり、裸足で箪笥の角に足をぶつけたりすると「アン!」と甘い声を洩らしてしまい、事情を知らない者が近くにいると視線を集めてしまう。
騎士としてそれは屈辱に感じた。
(タニア達の前だったからよかったが。いや、よくない!気が抜けている証拠だ。
あれが下男達の前だったりしたら騎士として面目が保てんぞ!)
レイは下男達を思い出す。
あのを侮蔑する視線を卑屈な態度と愛想笑いで隠し、年頃の女を見つければ物陰から下品な目で嘗めるように眺めている。
思い出すだけで悪寒が走るが、それすら性感に繋がってしまう。
衝動的にダガーて左手を貫き、テーブルに縫い付けた。
思考を否定し、打ち消そうとして衝動的に痛みを欲した。
しかし、それが絶頂をもたらし、レイの下着を湿らせた。
レイは最近この自傷行為を繰り返していた。
痛みを求めて厳しく激しい訓練をしても得られるのは求めたくない快感で、せめて汗を流すことで得られるのは達成感のある疲労を探しても出てくるのは重い脱力感であった。
そのくせ上気立つ体は桜色に染まっていて、その姿に訓練相手の男兵は鼻の下を伸ばした。
レイは救急帯で左手を縛り、薄い皮の手袋をはめ、篭手を締め付けると何事も無かったように控え室を出た。
しかし、これには獣人にはつらいものがあった。
レイから溢れる淫靡な匂いにオスの性を抑えつけるのに苦労していた。
帰還支援部隊として合流した獣人は人間より嗅覚が鋭く、レイが毅然とした態度の下から溢れる淫らな匂い。しかし、彼等が理性を保っているのはレイの心身の強さにあった。
発情したメスであっても体を許さず、仮にオスが襲ってもそれを撥ね退ける強さを彼女は持っていた。
強い子孫を残すにはとても理想的な雌である。
そのため獣人の男達の中ではひそかにレイを崇拝する者達がレイたちの周りを守るべく固めていた。
そして、そのレイが絶対の忠誠を誓う主君……ファニーと言うと…
彼女も出産を終えて運動がてら、訓練にたまに参加するようになっていた。
妖艶な熟女のような豊満なボディをビキニのみで訓練に現れるファニー……彼女の成熟した牝臭は、その格好と相まって獣人達の性を否応無しに刺激していた。
そんな欲望の視線がファニーには心地よい。
元来、王女であるから注目される事には慣れているし、多くの眼差しを浴びる事は喜びでもあった。

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