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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 22

神経を集中させると額に何かが這いずるような違和感を感じた
まるでフナムシが這いずり回ってるようだ
(集中だ、集中するんだファニー)
精神が高ぶっているときにミネルバを外したことでダス・ライヒの呪印が動き出した
同時にリリスの呪印も誤作動し、お互いに本領が発揮さてれない
ファニーの体の芯が熱くなる
その暑さが股間や胸や喉を焼き付けてきた
(うう、)
隙を狙い、構えの姿勢で堪えるファニーはじれてくる
心臓は早鐘の様になり、太陽と体温が容赦なく自分の外から内から体を焼く
観客席の声援が耳の奥でくぐもって罵声に聞こえてくる
構えたまま動かないのに苛立ちの声
ファニーのプロポーションを卑猥な言葉で誉める声
極めつけはフォレントの入街検査を覗いていて一部始終を見ていたと言う声
(嘘だ!嘘だ!)
「本当」
シャーリーの声が聞こえた
視線をシャーリーの全身から顔に集中させると、笑顔が飛び込んできた
ファニーは動いた
隙が見えたのではなく、こみ上げてきた怒りや憎しみがファニーの背中を押した
鞘を滑りシャーリーの胴に向かう刃
シャーリーは構えていたネメシスを立てる
剣がネメシスに当たる
そのまま剣を振り切る
(勝った!!)
気付くとファニーはベットに入っていた
体を起こそうとすると右の鎖骨から左乳房の下まで激痛が走る
(なにこの傷!?)
部屋を見渡すと、見慣れない病室だった
「おはようございます。ようやくお目覚めですか」
起きられない体で首だけを巡らすのも辛い。やっとの思いで声のした右側を向くと、目を赤くしたティーエとアンナがいたティーエは寝不足、アンナはさらに泣きはらした目だ
「と、言っても今は夜中ですがね」
(!?)
"夜中!?"と聞き返そうとしたが、激痛が走り声を出せなかった
ティーエは苦笑を浮かべながらため息を吐く
その様子だと自分がなぜそこに寝ているのか覚えて無い様ですね
ティーエは少し考える
「では、順を追って説明しましょう」
説明はファニーが居合いの構えをした所から始まった
その後ファニーの表情は見る見る曇り、怒りの形相になり、素人目にもシャーリーの隙も見えていないのに切りかかった
斬撃はシャーリーの剣に阻まれた。が、ファニーの剣はシャーリーの剣に当たると折れると言うより切れ、そのまま突進を続けたファニーはシャーリーの剣に突っ込んだ
その時のファニーの顔は勝利を確信して疑わない狂喜に満ちた顔で、シャーリーの笑みは打ち消されていた
自ら相手の剣を体に刻みつけたファニーは笑みを浮かべたまま崩れ落ちる。
体から剣から離れると、傷口はシャーリーに盛大に血を吹き付け、闘技場に血の海を広げた
そのままファニーは今日まで眠り続けた

「大会は戦士シャーリーの優勝で幕を閉じました」
ファニーは深い息をつくと目を閉じた
閉じた目から一筋の涙がこぼれた
負けた悔しさではなく、前後不覚になった自分に悔しかった
(情けない!)
そんなファニーに慰めの言葉は不要なのをティーエとアンナは知っていたがアンナは口を開いた
「ポルンも目を覚ましたことですし、今後はこっちにしましょう」

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