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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 113

「こんなものが?」
ファニーの目にはただに鉄の筒にしか見えない。
弓のような弦があるわけでもない、どうやって鉛の玉を飛ばすのだろう。
「魔法で飛ばすのかしら」
ファニーは鉄砲をマジックアイテムの一種かと考えた。
しかしリザードマンは苦笑しながら答える。
「いえ違いますよ。これは火薬の力で飛ばすのです」
「火薬??」
またもや聞き慣れない単語が飛び出す。
ファニーはそのリザードマンから鉄砲の仕組みについて根掘り葉掘りと聞き出した。
そのリザードマンは面倒見が良いのか、ファニーの質問に懇切丁寧に答えてゆく。
それで鉄砲についての大まかな仕組みについて理解することができた。
鉄砲とは火薬という爆発する薬の力によって鉛の玉を飛ばす武器のことだ。
弓よりも射程が長く、その威力は鉄の甲冑も簡単に貫くことができるほどだ。
しかし一発撃つごとに弾を押し込めねばならない煩雑さや、雨が降ると火縄が濡れてつかえなくなる弱点もある。
「あんまり実践的な武器じゃないな」
それが説明を聞いた後ののライズの意見である。
しかしファニーは違った。
「(確かに一丁二丁なら実用制はないけどこれがもつと大量にそう五百丁ぐらいあれば…)ねえその鉄砲五百丁ぐらいうちの国に売ってくれない?」
その言葉にリザードマンは驚きの声を持って答える。
「五百丁ですか!!とても無理です。わが街でも百丁あるかないかですから」
「ふーん、そうなんだ」
(本当は五千丁ぐらい欲しいけど無理そうね)
なおももの欲しそうに鉄砲を見るファニーに、ライズは思わず吹き出してしまう。
「おいおいそんな玩具を欲しがるなんて、姫さんもまだまだ子供だな」
伝統ある大国の末王子として生まれたライズには、鉄砲のような飛道具は卑怯な物としか映らなかった。
「戦いの基本は剣だよ。そんな玩具に頼らなくてもいい」
しかしファニーの見解はかなり違う。
(これはかなり使える)
ファニーがルーグまでの旅で思い知ったのは、女の非力さ儚さであった。
女は男よりも非力で、力ずくでこられると簡単の屈服してしまう。
自分もまた同じだ。
マモンに勝てたのは、相手が自分の殺すのでなく犯すためだということが分かっていたから事前に作戦を立てることによって勝てた。
もしマモンが殺す気だったら自分はとっくの昔に死んでいた。

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