朝、目が覚めると……… 121
それを見ていた飛鳥さんが安心したように言った。
「じゃあ、蓮ちゃん、留奈ちゃん、夕食の用意を手伝ってくれる?麗華さん、和美ちゃんも一緒に食べませんか?」
「あら、いいのかしら?じゃあ和美、ごちそうになる?」
「はい、いただきます!」
俺たちは8人での夕食になった。
夕食は楽しいものになった。
7人の美女、美少女に囲まれてハーレム気分を味わいながらの食事、
あぁ、俺って幸せ、死んでみるものだなぁ、
などと下らないことを考えながらも夕食は何ごともなく終わった。
俺たちは夕食の後、リビングに集まっていた。
話題は修学旅行について、どうやら俺たちの高校と、真由たちが合同で行うことは決まったみたいだ。
「そうなの、なんでも巽野宮高校とラフレシア女学院との交流を深める為なんですって、それで佐渡ホールディングス主体でリゾート島に行くみたいなの」
飛鳥さんはそう言っていた。
佐渡ホールディングス、留奈の爺さんが会長を務める会社だ。
日本有数の大企業の会長、巽野宮高校の理事長、そして若い女の子大好きなエロ爺、期待と不安が入り混じっていた。
そして明日のことも‥‥
次の日。
キーン、コーン、カン、コン
朝から教室が騒がしい。昨日とは比べ物にならないくらいだ。
騒ぎの原因は、ずばり噂の転校生。
「よう、帝。今日、転校生が来るんだよな。あぁ〜楽しみ、楽しみ。」
玲二がにやけた表情になっている。この女ったらしが。
「まぁ、お前がそんな態度だと相手に嫌われるかもな。」
「そ、そんな事はないぞ。俺がやさしく、やさしく教えてだな。」
何言ってんだ、コイツは。
ガラガラ
藤堂先生が入ってくる。なんだか嬉しそうな表情だけど、気のせいかな?
起立、礼、おはようございます、着席。
いつものように朝の挨拶が終わると、先生が言った。
「みんなは既に知ってるわね?特に男子は期待してもいいわよ。今日からこのクラスに新しい仲間が入ってくる事になったの。皆、仲良くしてあげてね。それでは、如月さん、入ってきて。」
「はい」と言う声とともに、1人の女子生徒が扉を開けて入ってきた。
彼女が入って来ると、皆は一斉に息を呑む。
すーと透き通るような白い肌、整った顔。
真新しいブレザーをきれいに着こなし、チェックのミニスカートの下からは紺の二―ソックスと白い太腿がすらりと伸びている。
艶のある長い髪に結わえたピンクのリボンが、少女の可憐さを引き立てていた。
まさに絶世の美少女。
チラっと玲二を見ると、口を開けたまま、ポカーンとしている。
はは・・・あれじゃ、しょうがないか。
「じゃぁ、如月さん。自己紹介をお願いね。」
「はい。」
和美はさっそく、黒板に自分の名前を書く。
彼女の大きく綺麗な文字に、クラスの連中から溜息が聞こえる。