朝、目が覚めると……… 118
飛鳥さんはそう言ってキッチンに向かった。
後に残った蓮と留奈、なんだかいつもと雰囲気が違う。
二人ともなんだか言い辛そうにしながらお互いをつっ突きあっている。
俺はどうしたんだと思って聞いてみた。
「どうしたんだよ二人とも?何かあったの?」
すると、意を決したように蓮が言った。
「帝、さっきはごめんね、私たちの勘違いで‥‥」
「ごめんなさい、帝」
と留奈も言ってきた。
なんだそんなこと気にしてたのか、そう思ったら思わず笑ってしまった。
「何よ!笑うなんてひどいじゃない!!」
「そうですわ!ずっと気にしてたんですのよ!!」
「ごめんごめん、そんなこと気にするなんて‥‥」
俺が笑っていると、もう、と言って膨れてしまった。
すっかり不機嫌になった二人を促し、中に入ろうとするとチャイムが鳴った。
誰だろうと思いドアを開けると、そこには麗華さんと和美がいた。
「こんばんわ帝くん、あら?蓮ちゃんと留奈ちゃんもいたんだ」
「ご主人様、こんばんわ」
蓮と留奈が二人を睨み付けている。
やばいぞ、せっかくいい雰囲気になったのに‥‥
いったい二人は何しに来たんだよ‥‥
「あたしたちがいたら悪いのかしら?」
「そうですわ、何か都合が悪いことでも?」
そう牽制する二人だが、麗華さんはまったく気にしてないようでこう言った。
「いやね二人ともそんな顔して、ちょっと挨拶に来ただけじゃないの」
へっ、挨拶?挨拶って何の?
「あなたたちには言わなかったけど、今日お隣に引っ越して来たの、それと和美のことでね、上がってもいいかしら?」
笑顔でそう言う麗華さん。
蓮と留奈はますます頬を紅潮させ、俺はおろおろするばかり、
あ〜どうしたら‥‥
とそこへ真由が顔を出した。
「帝さんお客さんですか?‥‥あら?麗華さん?」
真由が顔を出すと麗華さんはしめたとばかりに話しかける。
「真由ちゃんこんばんわ、あっ、この子、私の妹で和美って言うの、
帝くん上がらせて貰うわね」
といって上がり込んだ。
不意を突かれた蓮と留奈は驚いて、
「ちょ、待ちなさいよ!まだ話しは‥‥」
「麗華さん逃げるんですの!」
そう言って麗華さんを追いかけて行った。
残された俺と和美、
「ご主人さまお察しします」
和美はそう言ってお辞儀をすると家に入って行った。
俺と和美がリビングに行くと、麗華さんがソファに座っていた。
ソファの近くのテーブルには、飛鳥さんが出したお茶が乗っていた。
「あ、和美。こっちにいらっしゃい。」
麗華さんが手招きで和美を呼ぶ。
和美は麗華さんの隣に座った。
「で、何よ。話って・・・」
「そうですわ。いきなり家に来て。どういう事ですの?」
蓮が仁王立ちで麗華さんを睨んでいる。
傍らでは留奈が顔を赤くして見ている。
やば・・・この状況は。