セックス学生寮 2
これはちょっと口ごもった。恥ずかしいのではなく、正確に思い出すには時間がかかったのだ。
「…ええと、扱いて、射精した、という意味では、12歳の時だったと思います」
「女性と、付き合ったことはありますか?」
「いいえ」
「幼ない女の子に興味がありますか?」
「…いいえ」
ここでもし「はい」と言ったら、幼女と触れ合えるようなところに行くのだろうか?と僕は首をひねった。
僕にはそういう趣味は無いから問題ないが。
「裸で生活する人たちのことを聞いたことがありますか?未開地域の民族、という意味ではなくてです」
これは、ちょっと聞いたことはある。
「はい」
「では、あなたは、裸で生活していますか?または、してみたいですか?」
「………いいえ」
もし、質問が「裸で生活する人たちに興味がありますか?」だったら「はい」と答えたろう。
アイドルが、家で裸でいるような話を聞けば、それは興奮する。
「はい」と答えたかった。もしかしたら、男子も女子も裸の寮とかがあるのかもしれなかった。(本来的な意味だとそれはセックスとは関係ないはずなのだが)が、裸になりたいわけではないので、それは見抜かれるだろう。
「では、あなたは、ハーレムに興味はありますか?」
これは迷うことは無い。
「はい」
「しかし、現実には、世の中の男女比はほぼ一対一なので、ハーレムを実現することは、ごく限定的なケースです」
「そうですね」
じゃあ、なぜ、聞いたのだろう??
「では、男女比がほぼ一対一、という前提に立った上で、あなたは、特定のパートナーを定めない多対多の関係と、特定のパートナーを定める、一対一の関係では、どちらにより興味がありますか?」
「その二択なら後者です」
その答えには迷いはない。
「何故ですか」
「やっぱり関係を持ちたいなら特定の好きなパートナーとしたいじゃあないですか、それに」
「それに?」
「関係を持った女子が他の男子と関係とも結ぶのを見るのは嫌じゃないですか」
「そうですか分かりました」
その後もいろんな質問を受け
「以上で質問を終わりです、入る寮は放課後発表します」
「ありがとうございます」
一通りの質問が終わった。
僕はその部屋から出た。
寮発表まで待合室のようなところで待つように掲示された。
待合室はいくつかあるようで、とりあえず宇井君や浜井さんの姿を見かけることは無かった
「スマホ圏外だ!」
のような声が聞こえる。
待ち時間にスマホを使う人はそれは困るだろう。
僕は、本を持ってきていたので、それを開いた。
「君は今日この島に来たのか?」
隣の席の、背が高く、眼鏡をかけた男子が声をかけた。
「ええと、はい」
船に乗ってきただけに、やはり島なんだな。しかもスマホが圏外になるほど遠い島…
「俺は丸尾龍。この島で生まれた、エリートだ」
“この島で生まれた”と“エリート”が、どうつながるのか、よくわからない
“この島で生まれた”…やっぱり、この学園でセックスして、子供が生まれて、それで子供がここの学園に…っていうことなのかなあ…と漠然と思った。
「君は寮はもう決まったか?」
「え…まだよく分からなくて」
「俺は絶対S寮だな。エリートの寮」
そういってそいつは行ってしまった。
もし、S寮がこんな感じの奴ばかり集まっているなら、それは確かに行きたくないな…
僕は本を持っているからいいが、まわりの暇つぶしのネタの無い人たちはここに置いてある本から暇つぶしネタを選んでいた。
学園らしく、学業に関する本もあるが、多くの本は、成人向けと言っていいような本だった…ここはセックスするのが方針だからなのか…
「お待たせしました。皆さんの寮を発表します。荷物を持って、外に出てください」
部屋の中の生徒たちは、僕も含めてわさわさと部屋から外に出た。
外には、合格発表かと思うように、大きな紙に名前が書かれていた。
僕は自分の名前を探した……あった
『堀田 春雄 C寮1棟』
C寮…
「堀田君、C寮だね。一緒だね」
「僕もC寮だよ。よろしく」
浜井さんと宇井君も同じ寮で、僕はちょっとほっとした。