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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 51

「協力ぅ?・・・楽しくなさそうだなぁ・・・」
子供のような膨れっ面をして文句を言うやなく・・・そのやなくに藍が食って掛かる。
「貴方はっ!・・・公主様になんて口をっ!!」
今にも飛び掛らんばかりの勢いの藍、白石兄妹の藍に続くべく身構える。
しかし、相変わらずやなくは飄々といた表情であった。
「止めなさい、藍・・・貴女が敵う相手ではないわ・・・」
そう、やなくの『空間』の能力・・・対抗できるのは主姫や甲良等数少ない。学園でも屈指の能力者なのだ。
しかし、この風任せ気任せの少年を主姫は放置しているし、やなくも決して主姫と事を構えない・・・まあ、言ってしまえばどこか馬が合うのかもしれない。
「ふふふっ・・・姫ちゃんと喧嘩しにきた訳じゃないよ・・・そんなのだいたいつまらないしね」
「じゃあ、今日はどんな用かしら?」
すると飄々とした感じのままやなくが主姫の後ろを指差す。
「その子に興味があるのさ・・・」
やなくが指差した相手は、一応女の子のままで制服を着せられた誠一だったのだ。

「勇さん。お取り込み中すんませんっすけど、いいすか?」
がさり、と茂みの中から巧馬が顔を出す。彼は彼の能力『獣化』を使っており四つん這いになっていた。巧馬の額には汗が浮き出ている。よほど慌てていたのだろうか。
勇牙はそれを理解しながらも
「無粋だな」
と返事をした。
「誰がブスだってぇ?」
と碧が茶々を入れるが、巧馬はそれを
「だー!聞けよ!もーー!」
と一喝(?)した。「それで、どうした?」
「風紀委員会がうちに同盟を持ちかけてきました!」勇牙の目がやや厳しくなり、
「それで、黒鉄は?…いや、聞くまでもないか。あの堅物のことだ。断ったんだろ?」

「はい。どうしますか?」
「風紀委員に掛け合うぞ。今はなんとしても、兵が要るんだ。」

「って言う訳で、同盟の契約は結べませんでした」
礼光が甲良に報告をしているわけだが、双方表情は至って普通だった。こうなる事は大体予想できていたからだ。
「んー、やっぱ無理だったかぁ。そりゃあ、しゃあないな。あいつの信用を得るには、百の言葉よりも、一の行動だな。やっぱ」
「やるの?くーでたー」
訪ねたのは冬真である。彼が率いる美化委員も水面下ではちゃくちゃくと、反学園の意志を持つ戦力をため込んできた。
裏でそんなことが起きているなか…
「その子ちょ〜だい」
やなくが誠一を指差した。
「貴様!!一度ならず二度までも!!」
藍がつかみかかろうとした瞬間
「………」
190はゆうにある黒服の男が現れ銃身30センチ以上ある巨大な拳銃を藍の額に当てた。
「なっ…」
あまりの出来事にそのままの形で立ちすくむ。
「『宵城寺涜狸』…か、藍、下がりなさい。あなたの負けよ」
主姫が誠一をやなくの前に出した。
「連れて行くのは勝手にしなさい、あなたの事だからなにか考えがあるんでしょう?」
やなくを見つめながら言った。

「さぁ?どうでしょねぇ」
そう言うと誠一を抱き上げた。
「涜狸、行くよん」
パチンて指を鳴らすと同時に三人の姿が消えた。
「良かったのですか?公主」
「いいも悪いも、今の状態で戦闘に持ち込まれてたら良くて相討ちが関の山よ…」
ため息をひとつ
「藍、やなくの動向も調べておいて。間違っても戦わないように」
「はい、肝に命じておきます」
そう言うと一礼をし部屋を出て行った。

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