シークレット☆ラブ 25
達哉は考えた、もし今の状態で真美子が18歳の思考を取り戻したら…と想像した。
「たぁ〜つぅ〜やぁ〜」
「ヒッ…」
「あんたなんで無茶すんのよっ」(くどくどと説教が続く)
瞬間、この重傷の状態で真美子にふつうの精神に戻られるのは得策じゃないと考えた。18歳の精神の真美子にバレたらたぶん犯されるだけじゃすまないだろう、身から出た錆とはいえ…
しかしながら、幼児化した達哉の可愛い真美子は、泣きながら子猫のように身体を擦り寄せてくるだけである。
真美子の心はそう簡単に治るものでは無い。時間をかけてゆっくりと治していかなければならないのだ。
坂口兄弟が捕まり、達哉が目覚めたとは言え、達哉と真美子にはまだまだ難問が残っているのだ。
でも……真美子となら乗り越えれる……達哉には、そんな確信めいたものが心の中にあったのだ。
そして、いつ戻るかわからない真美子に、頼むから怪我してるうちは記憶は戻らないでくれと願うばかり。
んが!そんな達哉の思惑は翌日に打ち砕かれた…
「たぁつぅやぁ〜」
なんと翌朝には真美子の精神は18に戻ってしまっていた。しっかりと退行時の記憶を残して。
「ま…まみ?」
「あんたなんでそんな無茶するのかなぁ?またダブりたいのー?三回目の高校二年生したいのぉ?」
しかも、きっちり男装までしている…
治った事は喜ぶべきだろうが…これはこれで困った物である。
「今度は僕が達哉を守るさ…」
真美子はそう言って達哉をつついたのだ。
実は、真美子が直ったのはある事がきっかけだった。
偶然聞いた医者の会話…真美子は達哉が銃撃により神経が寸断され、下半身が動かない。治る保証は無く、長いリハビリでも、確実に麻痺が残り歩行はほぼ無理と言う事実を聞いたのだ。
その愛する達哉の症状を知ったショックで、まるでショック療法のような感じで治ってしまったのだ。
そんなある日、達哉はぼんやりと車いすマラソンの衛生中継をみていた。
「カッコいいな…」