学園の牝 69
ちなみに立ち並ぶ彼女たちは全員学校の制服を着用している。
普通、専用奴隷を持つ男子生徒ならばコスプレなどをさせているものが多いのだが、彼の場合は違うらしい。
珠美は専用奴隷の道を抜け、生徒会長の元へと進む。
「忙しいところすみませんね、鷹栖会長」
「いえ、そんなことはないですよ」
生徒会長は珠美の言葉にさわやかな笑みを浮かべながらそう答えた。
生徒会長、鷹栖光太郎。
名字からわかるように、彼は鷹栖浩二の兄である。
しかしその実力は弟、いや歴代の生徒会長のそれとは比べ物にならない。
専用奴隷の数もさることながら、数多くの牝奴隷たちを奴令嬢に育て上げた手腕を持っている。
「で、今日は一体どんな御用ですか?」
「ええ、今日はある生徒のお願いを聞いてもらいたくやってきたの」
珠美は内心の緊張を隠しながら用件を語り始めた。
彼の実力を知っているものなら、学校中の女性、たとえそれが教師であろうと彼に敬服せずにはいられないのだ。
「・・・ふむ。実力以上に専用奴隷を増やさないために特例を認めてほしい・・・ですか」
「ええ。新しく専用奴隷入りをした生徒の中に問題児がいてね。
その生徒が淫乱過多だったから、他の牝奴隷生徒が暴走しかかっているのよ・・・」
説明を聞いた会長の顔からは笑顔が消えていた。
「確かにそれは問題ですね。
女性は男性に尽くすものであって、男性を支配するものではない。
かと言って簡単に特例を認めてはその生徒が専用奴隷を増やさなくなるおそれがある・・・」
「ええ。だから私と生徒会の代表1名が専用奴隷入りして彼の実力を測りつつ、奴隷の数を増やし、子作りに励んでもらおうと思っているの」
話だけ聞けばものすごい話である。
自分が犠牲になるだけじゃ足りないから、生贄をもう1人用意してくれと言っているのだ。
しかもそれは子供をたくさん作るための女性をさらに受け入れるためだから、その数は時と共にどんどん増えていくことだろう。
男尊女卑の世界とは言え、ものすごい会話があったものだ。
「なるほど…そう言う訳ならこちらからも一人出さなければなりませんね…でも」
「何か不満でもあるのですか?」
「私の可愛い奴隷達を差し出す訳にはいきませんので諸事情で生徒会扱いになっている女生徒を送る事にしましょう」
「その生徒はちゃんとした奴隷なのでしょうね?」
「御心配なく…奴隷としての能力は鷹栖光太郎の名に賭けて…」
「判りました、ではいつ頃」
「先生が指定してくれる日にでも」
と二人の平穏ながら聞く側からすれば物凄い話し合いで珠美側の準備は整う。
後は悠達の決断次第であった。