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壊れた日常
官能リレー小説 - アブノーマル

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壊れた日常 1

※残酷描写注意

僕達は毎日、この平和で退屈な日々を当たり前の事として疑う事無く生きている。凄惨な事件や未曽有の大災害もテレビや新聞の中の出来事で、どこか自分とは無関係な物だと考えがちだ。
だがこの日、僕は思い知る事になった。僕達が信じて疑わない日常など、いとも簡単に崩れ去ってしまうという事を…。

「ごめ〜ん、直樹君。待った?」
「いや、愛ちゃん。僕も今来たとこだよ」
僕は間下 直樹。ごく普通の中学2年生だ。僕は今日、人生初のデートをする。相手は同級生で学校一の美少女、河井 愛菜ちゃんだ。ネットオークションで定価の倍以上の金額を払って、今人気の映画のチケットを手に入れ、彼女を誘う事に成功したのだ。
(愛ちゃん、私服も可愛いなぁ〜♪)
僕は愛ちゃんの私服姿に見とれてボーっとしていた…その時だった。

プププ〜ッ!!キキィーッ!!…ガッシャァ〜ンッ!!

突如として響き渡るクラクションとブレーキ音、続いて物が壊れる音…。
「な…何…!?」
「あぁ!直樹君!あそこ見て!あそこ!」
愛ちゃんの指差した方に目をやると、すぐ側の交差点で大型の軍用トラックが電柱に衝突して前面が大破していた。交差点の真ん中にはいかにも高級そうな外車が停まっている。信号は赤。どうやら信号無視して交差点に突っ込んで来た外車を避けようとした軍用車が電柱にぶつかったらしい。
外車の方はかすり傷で済んだが、軍用トラックの方は運転席が完全に潰れており、割れたフロントガラスから血まみれの軍服姿の男の人が見えた。彼はグッタリしていてピクリとも動かない。おそらくもう息が無い…。
「うぅ…」
愛ちゃんは気分悪そうに口元を押さえてその場にしゃがみ込んだ。
「だ…大丈夫?愛ちゃん…」
正直僕も吐きそうだったが、必死に堪えて愛ちゃんの背中をさすってあげる。
「ご…ごめん…直樹く…うぅ!?おげえぇ〜!うげえぇ〜!」
愛ちゃんはその可愛い顔には似合わぬ下品な声を出して、その場で嘔吐した。無理も無い。何の前ぶれも無く“人の死”を見せ付けられたのだから…。ヘタしたら一生モノのトラウマになりかねない…。

「くそっ!だから公道走るのは嫌だったのよ…」
軍用車の助手席側は何とか無事だった。その歪んだドアを蹴り開けて、中から軍服に身を包んだ若い女の人が姿を現した。
ショートヘアの綺麗なお姉さんで、軍服の上からでも判るスラッと引き締まった体型…だが胸とお尻は大きいというナイスバディだ。だが今はそんな事はどうでもいい。外車の方からも人が出て来た。チャラい感じの若い男女だ。カップルだろうか。頭を金髪に染めて耳にピアスをした男が軍服のお姉さんに言った。
「おいテメェ!何してくれんだゴラァ!?車キズ付いちまったじゃねぇかよ!?これ世界に三台しか無いモデルなんだぞゴラァ!?」
「はぁ!?んなモン知らないわよ!信号無視して突っ込んで来たのはそっちでしょうが!お陰で私の部下が死んじゃったじゃないのよ!車だってこっちは軍用車両なんだから!あんたのオモチャなんて比べ物にならないような値段なのよ!?」
お姉さんに言い返されて怯むチャラ男、それでも負けじと言い返す。
「う…うるせぇ!俺の親父は代議士だぞ!?テメェなんて親父に頼んでクビにしてやるからなぁ!?」
「そーよそーよ!」
チャラ男の彼女らしき金髪の女も合いの手を入れる。だが周囲の視線は冷たい。この二人、しゃべる度に自分達が不利な状況になってる事に気付いてないようだ…。
「だいたい自衛隊がこんな街中走って一体何運んでやがんだ…!?」
チャラ男は壊れたトラックの荷台に近寄って幌の中を覗き込もうとした。
「バ…バカ!!近付いちゃダメよ!離れなさい!」
お姉さんの顔色が変わった。
「へへ…えらい焦りようじゃん。つー事はよっぽどヤバいモン運んでたなぁ…?」
「離れろって言ってるのが解らないの!?これは命令よ!」
お姉さんは腰の拳銃ケースに手をかけた。
「うわ!?分かったよ…ったく、冗談だって…何マジになって……」
ザシュッ……ブシャアァァァァ
次の瞬間、信じられない事が起きた。チャラ男の頭部が空中高く舞い上がり、首から大量の鮮血が噴水の如く噴き出したのだ。
「いぎゃあぁぁ〜〜!!!?タ…タツヤあぁぁ〜!!!?」
チャラ男の彼女の金髪女の悲鳴が辺りに響き渡った。彼女は腰を抜かしてその場に尻モチを付き、ジョロロロロ〜っと小便を漏らした。

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