女子プロレスの世界-NO・01 21
そして 2回戦 最後の 鈴木睦美対小佐野美穂は
小佐野美穂が ドロップキック5回連続すれば
鈴木睦美はドロップキック7回連続した
まさに お互いの意地の張り合いだった
そんな試合も鈴木睦美がリング中央で
えげつないほど
名古屋城の鯱みたいに
曲げた
逆エビ固めで小佐野美穂を倒した
準決勝まで 先輩たちの試合が2試合組まれていた
それが終わって準決勝が行われた
準決勝に残った4人は 昨年入門した同期だった
そして準決勝
沢田明日香が 泉沢望を
なんと49秒 スモールパッケージホールド
首固めで 敗った
泉沢望は ちょっと油断してしまった
そしてもう一つの準決勝
鈴木睦美対山代遥も 短期決着だった
3分37秒 前方 回転エビ固めで鈴木睦美が勝った
技の返しの繰り返しだったが
鈴木が土壇場で3カウント奪った
最終日
プリンセス クィーンの優勝決定戦は
休憩前に 行われる
プリンセスクィーン決勝戦に残ったのは2月22日にデビューした2人だった
意外な2人が新人王座を争う事になったが 試合は 2人の頑張りのおかげで盛り上がった
沢田明日香も鈴木睦美も水着は 汗でびちょびちょだった
試合は20分を越えた
鈴木睦美がボディースラムを休まず3回連続して投げた後
逆エビ固めを決めた
なんとか沢田明日香はロープにエスケープしたが 鈴木睦美は 沢田明日香を起こすとロープへ飛ばし
残っている力を肘に込めて エルボーを胸元に叩きつけ
倒れた沢田明日香を押さえ込み
フォールに行った
レフリーの 中原聡子は
カウントを入れた
「ワ〜ン・ツ〜スリー」
3カウントが入り
21分12秒体固めで 鈴木睦美が沢田明日香からフォール勝ちして
優勝した
鈴木睦美も沢田明日香も獲得した賞金300万円・100万円
両親に送金した
プリンセスクィーンが終わって10日後
地方巡業に出た
6月20日から7月29日まで
32戦 毎日試合が あるわけではない新人たちだが
移動のバスでも
張り詰めた緊張感を持っていた
バスの後方から
突然 ティッシュ1枚取るだけの事を
新人を呼び出し ティッシュを取らせるような大・先輩が居るからだ
その先輩も新人時代に経験して
新人は忙しくて当たり前が女子プロレス界の常識なのである