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規格外の男
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規格外の男 18

鮮烈なデビュー弾にベンチはやんややんやの大喝采だ。

「すげーぞ、ケータ!!」
「なんかとんでもねー奴と一緒になっちまったな」
「敵じゃなくてホントよかったぜ」

仲間たちは手荒い祝福。
それも高校時代を思い出すようで慶太は少しうれしかった。

そして最後はヘンリーとがっちり握手。

(間違いない、私が見た中で一番のルーキーだ)

ホセやアンドリューのレベルも数年おきぐらいには入団してくる事もあるルーキーリーグ離れした素材だが、慶太はそれを遥かに超える。
オーナーのケインズが『ケータは1ヶ月で1Aに送るぜ』と言う言葉を半信半疑で聞いていたが、どうやらそれは本当らしい。

その後、守備でも良いところを見せてゲームセット。
慶太としては上々のデビュー戦だったのだ。


ビジターのデーゲームが終わり、クロコダイルズはバスで本拠地に帰る。
本拠地までバスで三時間だが、こんなのは当たり前。
バスで半日かけての遠征だってあるのだ。
三時間程度なら泊まらずに日帰りだった。

ほぼ全てが若い選手で満たされたバスは、さながら男子校の様相。
特に今日は勝ったから余計に元気だ。

「俺に勝利をありがとうケータ!、愛してるぜ!」
「その愛はいらない!」

じゃれてくるアンドリューに慶太は迷惑そうな顔を見せつつも嫌ではない。
どこか高校時代を思い出させるような気がした。

ホセがスペイン語で歌い踊るのをチームメイトがやんやと囃す。
ヘンリー達コーチは戦術会議をしつつも、それを注意もせず温かく見守る。

バス移動三時間はハードだが、こんな移動なら悪くない。

「ケータ!」

会議を止めてヘンリーが大きな声を出す。
全てがしんと静まる中、ケータはヘンリーの座る最前列に行く。

「明日から3番ショートだ!」
「はいっ!」

いきなりクリンナップであった。
その発表にチームメイトが囃し立てるから、彼等もケータを少なくとも認めたのだろう。

「結果を出しながら内容も示せ!、それができんならやめちまえ!」
「勿論です!」

つまり、上のリーグの目に留まる内容と活躍を見せろって事らしい。
勿論、元より慶太はそのつもりだ。

そして帰ってこれからを語りたいパートナー達がいる。
彼女達はわざわざ車で試合観戦に来て、今頃は帰途であろう。

慶太はいい話を持って、本拠地に戻ったバスから降りたのだ。


家に帰って扉を開くと、エプロン姿のアシュレイの満面の笑みがあった。

「おかえりなさい、慶太」
「うん、ただいま」

勢い任せにアシュレイを抱き締める。
今日の試合の興奮でか、慶太の股間はギチギチにはち切れんばかりであった。

そして、同じくエプロン姿の愛理に、余りエプロンとかしないジュディやエステルまで出てくる。
彼女達も試合を見に行って帰ってきたばかりだから、慶太の食事を慌てて作っていたのだろう。

その3人も慶太は次々と抱きしめ、アシュレイにそうしたようにキスしていく。

「今日は活躍だったね、ケイ」

女の顔で蕩けながらも、ジュディがにっこり笑う。
黒い肌と白い歯が対比が綺麗だった。

「うん、攻守共にフォームも綺麗だったし、流石ケータね」

エステルはご満悦だが、頬を染めて恋する少女の目で慶太を見ていた。

「慶ちゃん、高校の時より大きなバッティングしてたよ」

愛理も昔から慶太を見ていてよく分かっている。

「みんなありがとう。でもこれでやっと始まったって感じだから」
「当然よ!」
「このまま一気にメジャーまで行ってね、ケータ」
「それはちょっと早い気もするけどなぁ」

ジュディとエステルが言うのを、慶太は苦笑いして返すが、一方で淡いながらも自信を抱いていた。

「さあ、ディナーを作るから待っててね、そのあとは…」
「うん、わかってる」

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