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デッド・ショット
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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デッド・ショット 27

イリーナ達の目の前で犬呼ばわりする厚顔不遜ぶりも凄いが、浅川に対する言葉にも絶対零度の吹雪のような冷たさであった。
美女と浅川の関係はイリーナには分からないが、少なくともこの美女は浅川すら人扱いしてなかった。
美女の指摘に答えられぬ浅川に、美女は笑顔を見せる。
それは浅川を許したからではない・・・愚か者を心底侮蔑する笑みだった。
「彼女達の戦力は我が国の保有物であり、貴方の浅ましい性欲処理の道具でない筈?。彼女達のナノマシンの動力が男性、女性の性器であると報告しておいたのに無視したのは何故?」

「いや、報告はきちんと見て、後で戻そ・・・」
力なく言い訳する浅川を、美女は鼻で笑うようにして黙らせる。
「嘘おっしゃい!。自分に都合良く従わせようとしただけでしょ。この程度の仕事ができないなんてとんだ無能者ね!。加藤の推薦だったけど、加藤の見る目も曇ったものだわ!!」
美女はそう言うと、そこで初めてイリーナの方を見る。
「私は国家安全保障局、局長の御剣。イリーナ隊長、貴女に選ぶ権利を与えます。我が国家に忠誠を誓い働くなら、この少女の身体は元に戻して貴女達を国家安全保障局の隊員に迎えます」

選ばせると言いながら、これは強制である。
彼女達に選択権は無いし、断ればどうなるかの提示もない。
無くても想像はつくが・・・
「元のって、両性具有の身体にですか?」
「勿論。私達に必要なのは貴女達の能力。犬の繁殖じゃないわ。戻せないと言うのもこの男の嘘だから」
御剣と名乗った美女は、サーシャに向かってアンプルを投げる。
「それを飲んでトイレに行きなさい。ナノマシンが排泄といっしょに出てきて元に戻るわ。この男の使える物なんてその程度だから」

イリーナがノーと言えないのを知っていて、薬を渡す彼女にイリーナは覚悟を決める。
少なくとも能力が必要とはっきり言われただけマシだ。
彼女達にとっても・・・性と暴力は切り離せない代物だからだ。
「分かりました局長。スマイリーウィッチは、国家安全保障局の指揮下に入ります」
「了解したわ、イリーナ隊長。貴女達スマイリーウィッチは、私直属の部隊として行動して貰います」
そう御剣は言うと、浅川を見下ろす。
その瞳に浅川は何かを感じ、必死な表情で御剣に訴える。

「すいません!!、出来心だったのです!!、許して下さい!!!」
今までの浅川からは想像もつかない悲壮な懇願にも、御剣は眉一つ動かさなかった。
「スマイリーウィッチに命じます。この目障りな犬に死の微笑みを与えなさい」
御剣の命令に彼女達の瞳の色が変わる。
解き放たれた獣の瞳に・・・
「「「イエス、レディ!」」」

獰猛な獣の前に、浅川の首と胴が永遠の別れを告げるまでに、そう時間は要らなかった。
そしてサーシャは両性具有に戻り、彼女達は新たな主を手に入れたのである。



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