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壊したいくらい愛したい
官能リレー小説 - 同性愛♀

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壊したいくらい愛したい 6

―「あっ」

どれくらいの間意識を失っていたんだろう。
気が付くと真っ白な天井が視界いっぱいに広がっていた。
そういえば、あの時私は…

「目が覚めた?」
「あっ………ええ」
長い黒髪で色白のお姉さんが私の顔を覗き込んできた。保健室の曽根先生だ。

「彼女が、あなたをおぶってここまで来たのよ」
そう言って曽根先生は丸椅子に座り机に突っ伏している親友の方を見た。

「シロ…」
疲れて眠っているのか、私と顔が合わせづらいのかよくわからないけど、アイツ、一人でここまで…

「多分、事情を色々聞かれると思うから。男の先生相手で嫌じゃないかしら…私が代わりに伝えておくから、できるだけ、話せる範囲で教えて」
「はい…」

あの男のことはよく知らなかったし、そもそもなんであんな目にあったのかもよくわからなかった。
もしかしたら、シロに好意を抱いていて、だから私のことが邪魔で、あんな行為に及んだのか…それも想像の域でしかない。

「つらいことがあったら、いつでも来てね」
曽根先生はそう言ってくれた。

曽根先生にいろいろと経緯を説明し、あとは曽根先生に任せることにした。
私は午後はずっと気を失っていたと後で聞いた。シロはずっと付きっ切りで私についていた、と曽根先生は言う。

「とても仲がいいのね」
「はい」

向こうで突っ伏していたシロがむくりと身体を起こす。

「もういい時間だから、2人で、気をつけて帰ってね」

「シロ」
むくりと起きたシロに声をかける。
なんか物凄い機嫌悪そうな顔。ずっと私に寄り添って、そのまま疲れて寝ちゃって寝起きのシロ。

「ごめんな」
シロの肩を優しく叩く。
「初音…大丈夫?」
不機嫌そうな顔が一転、私に心配そうに尋ねてくる。

「私は大丈夫だよ。シロも、ずっと一緒にいてくれて、ありがと」

「初音…」
心配そうに私の顔をのぞき込むシロを、そっと抱きしめて頭を撫でてあげた。
「うー……うっ…」
私の胸にポフンと頭を埋め、嗚咽を漏らす。
なんでシロが泣くんだ。
でも可愛い奴だから。大切な存在だから。私は全部受け止めた。

その日は2人で帰った。
次の日からも何事もなかったように私は振舞った。

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