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龍の覚醒
官能リレー小説 - 同性愛♂

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龍の覚醒 22

どこか人間離れした空気感を持っていたその男はなにかを落としていったらしかった。
キラキラと輝く砂の塊のようだった。服にでも付いていたのだろうか。
それがポツポツとシャワールームの方まで続いている。
俺は目の前で堅く勃起させる男達をすり抜けてシャワールームへと走る。
誰かが「待て」やら騒ぎ始めたが、気にしない。このまま好きにやられてたまるか。

自衛隊では入浴する時間がある程度決められている。
しかし、この時間は誰も居なかった。自分等が最後に入浴するというのもあるが、風間が権限を悪用して人を遠ざけていたからだ。

シャワールームは更衣室の隣にあるので走り出してすぐに入り口の取っ手に手が届いた。
行き止まりに追い詰められた形になるが、都合は良かった。
シャワールーム内なら相手が全裸でもおかしくはない。更衣室で全裸で気絶されるよりか、よっぽどましだ。
素早くシャワールールの中に入り込み、誰も入ってはこれないようにモップの枝で扉を閉じる…
続いてバンバンと扉を叩く音が響き渡る…
この扉がもつのも時間の問題だな…俺は深くため息をつくしかなかった…

「ははは、行き場を失った獲物の…最後の抵抗って訳か?…」
背後から上げられた声にギクリとする。
慌てて振り返ると、紫煙をくぐもらせたあの男が…ニヤリと頬を上げていた…

「俺はただ、厄介ごとを回避したいだけだ。追い詰められてなんかない」
「あの大勢を相手に戦える、てわけか」
「しかし暴力事件で騒がれるのはどうにか避けたい。あいつら諦めて帰れば良いんだが」
そこまで話した時、ふと男の足下に落ちているキラキラ光るものが海砂に似た物質だと気が付いた。
どうして海の砂がこんな所に落ちている?シャワールームに居るのも謎だ。
「それにしても龍とは…随分と立派なタトゥーを入れたもんだな…そんなんでよくここに入れたよな…」
吸い殻を踵で踏み付けながら、男は感心したように言う…
「あ、これは痣みたいなもんで…俺が好き好んで入れた訳じゃないさ…」
それは隊にも既に報告済みで、特例として納得して貰っていることだった。

「まあ俺はそんなタトゥーよか…お前の跨ぐらに鎮座している…小っこい龍の方が興味あるけとな…」

いきなり小っこいとは失礼な奴だ、確かに胸の刺青と比べれば小さいと言えるだろうが。
だが確かに先程から続く面白くない揉め事に、水龍が認めた自慢の物は若干縮こまっていた。
気分を変える為に俺から話題を振る。
「そんなに俺のに興味があるならどうしてシャワールームに居るんだ?しかも服着て」
「お前がここに男達を誘いこむと予測出来たからな」
男達、という言い方になにかが引っかかる。顔見知りに対する言葉とは思えない。
そんな事を話している間にも出入り口を塞ぐモップが歪んできた。扉が少し開いて、雄の臭気が流れ込んできた。
向こうに居る誰もが俺を犯す妄想に捕われて先走りを放出しているらしかった。

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