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断崖の剣闘士
官能リレー小説 - 同性愛♂

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断崖の剣闘士 2

「止めてくれ、お前を殺したくない」
俺は後ずさる。だが、ヘルムートは斬りかかってきた。
その攻撃は明らかに手を抜いていた。俺はそれに気づくと周囲を観察する余裕が出来た。
どういうわけか観客の全員が半裸だった。
まともに服を身に付けている者が居ないのだ。そのわりには観客達に下品さは無い。
性的な目的であれば下品なヤジを飛ばしたりと何かしら場に妖しげな雰囲気が漂っているはずだ。それが全く感じられない。
観客達も自分が半裸になっている理由をわかってないようですらある。
俺はわざとオーバーに動き回りながら時間を稼いだ。だが策を練ろうにも逃げ出せる状況にはなかった。
観客席に飛び込み、客でも人質にとるべきなのだろうか?幸い彼等はほぼ裸だ、護身用の武器すら隠していない。
どういうわけか武装した兵士の姿も見えない、居るのは半裸の観客だけだ。
兵士が居ないということはここら逃げるのは容易に思える。
だが、出入り口が塞がっている。そこには見張りらしいのは居ないが、鍵がかかっているのだ。
客すらもここから出られないと思えるような頑丈な鍵が不自然な位いくつも付いている。
(まるでここから出るのを禁じられているようだ…………)
そう考えていると、ヘルムートが声をかけてきた。
「なかなか楽しませてくれるね、でももういいよ」
これは当然演技だ。わざと挑発して時間稼ぎをしてくれているのだ。

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