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閃光戦隊
官能リレー小説 - その他

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閃光戦隊 1

閃光戦隊ユーフォニウムレンジャー、それは正義の味方として悪と戦うヒーローである。
しかし、彼らは正体不明で素顔は誰も知らない。
分かっているのはその全員が十代半ばから後半くらいの少年たちであることと、全員が光沢のあるスーツを身をまとっているということだけだ。
そして、彼らがなぜ正義のために戦うのかも分からないし、どこに所属しているかも謎だ。
 
大都市T。世界有数の規模を誇るこの街にはたくさんの人々が暮らしている。
だが人の営みが行われているのならば光の陰に闇があるものだ。
裏路地の奥にあるそこは大都市にふさわしい規模の歓楽街である。
明るい飲み屋やキャバクラにホストクラブ。恋人たちのためのラブホ。そういった合法的な風俗店が立ち並ぶ一方。
異性とスキンシップを楽しむクラブや一緒にお風呂に入る個室温泉も存在した。ホテルでのデートを斡旋する事務所もある。
さらに夜闇の深くに沈めば若い少年少女たちを簡単なバイトと誘い、大人と一夜の恋愛を楽しませる場所もあるのだ。

この歓楽街の中心にそびえるビルの最上階。人々の欲望渦巻く光の輝きを見下ろす一人の女がいた。
年齢不詳ながら人生経験を感じさせる妖しくも美しい笑みを浮かべ。キリッとしたキツめの美貌は男女とわず魅了する。
艶やかな輝きの美髪は緩くウェーブを描きながら背中に流され。煌めくドレスに包まれた肢体はメリハリがありつつも女性らしい柔らかそうな曲線を形づくる。
彼女は美しい、だが人間ではない。その正体はサキュバスと呼ばれる種族である。
人間の精力を糧とする彼女ら魔の者たちは人間たちに忌み嫌われていると同時に恐れられている存在である。
そんな存在がなぜこの街にいるのか? それはこの大都市Tの裏の支配者、『ビーストキング』と呼ばれる存在が彼女を招き入れたからだ。
「ふふ、今日もこの街の人々たちは楽しそうだわ」
この大都市には欲望と暴力が渦巻いている。人の悪意や私欲が渦巻くこの街並みは見ているだけで楽しい。
そんな彼女はふと視線を街の一角に向ける。そこは歓楽街の入り口で、様々な人々が行き交っている。
「ん? この感じは…」
彼女はその人混みの中で強大な魔力を感じ取る。人間の持つそれとは桁違いの、それでいて濁りのない清流のような美しい魔力だ。その感覚に彼女はすぐに理解する。
「ふふ、これは間違いなく勇者の素質を持つ人間ね」
その魔力の持ち主であろう少年が目に入る。それは黒い髪に青い瞳の、特に特徴のない少年であった。
「あの子が勇者ねぇ…」

その少年の名は緑川誠(みどりかわ まこと)、16歳の高校1年生だが、彼こそ閃光戦隊ユーフォニウムレンジャーのメンバーの1人、ユーフォニウムグリーンである。

閃光戦隊ユーフォニウムレンジャーは、ユーフォニウムレッド、ユーフォニウムブルー、ユーフォニウムグリーン、ユーフォニウムイエロー、ユーフォニウムピンク、ユーフォニウムホワイト、ユーフォニウムブラックの7人の少年少女からなるが、いずれのメンバーも常人を遥かニ凌ぐ知力、体力、運動能力を有している。なお、メンバーのうち、イエロー、ピンク、ホワイトの3人は女子である。

「真由美、どこにいるんだ?」
誠は、3日前にこの歓楽街に入ったまま行方をくまませた、同級生にして幼馴染の高梨真由美を探し求めていた。

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