初体験はお姉ちゃんそして…… 166
「お待たせ致しました。特製ティラミスとインペリアルトルテ、メランジェでございます。」
「インペリアルトルテは私。」
「ではごゆっくりどうぞ。」
伝票が追加され、ボーイさんが下がっていった。
「さ、頂きましょう。」
「うん。わ、これ美味しい。」
「ちょっと頂戴。私のも一口あげる。本当だ。美味しいわ。」
「僕も貰うね。あ、これも美味しい。」
「でしょ?」
デザートタイムも満喫した。
「じゃあ会計してくるわね。」
「お姉ちゃん……」
「ん?」
「ご馳走様。」
「いえいえ。」
お姉ちゃんは会計を済ませた。
「帰るとしますか。」
「お姉ちゃんありがと。」
「ふふふっ。また来ましょうね。」
「……うん。」
「あ、次回は痛いの無しにするからね。」
「でも……お姉ちゃんがやりたいなら…」
「良いの?」
「僕は……お姉ちゃんが大好きだから…」
「ふ〜ん。」
お姉ちゃんはタクシーを呼んだ。
「あ、来たわ。」
そして、僕達は家路についた。
「ね、家まで歩くときは手繋ぎましょ。」
「うん。ありがと。」
僕はお姉ちゃんと手を繋ぎ家に着いた。
「ただいま。」
「お帰りぃ。」
茜だけが出てきた。
「ただいま。あら?沙耶はどこか行ったの?」
「それにしては遅すぎるんじゃない?」
「部屋に居るよぉ。」
「そう。だったら良いわ。」
「二人ともちょっと来てぇ。でも戸を開けたら声出さないでねぇ。」
「ん?何で?」
「何かあるのかしら?」
「秘密だよぉ。」
そう言って茜は部屋に向かった。
「ねえ何なのよ。」
「ヒ〜ミ〜ツ〜。」
「気になるわね〜。」
「茜がこんなこと言うのって初めてだな。」
「そうね。」
「きっと二人ともビックリするよぉ。」
「どういうビックリか不安な部分もあるわね。」
「うん。」
「じゃあ開けるよぉ。」
茜が戸を開けた直後、僕は驚愕し、言葉を失った。