初体験はお姉ちゃんそして…… 165
「『キングオブプレート』ライススープ付、ライス大盛りでございます。そしてこちら『大盛りサラダ』でございます。」
「来た来た。いただきま〜す。」
「いただきます……」
「やり直し。」
「え?お姉ちゃん?」
「アンタ暗いからやり直し。」
「いただきます!」
「はい結構。じゃあ『あ〜ん』して。」
「え?」
「茜にも沙耶にもやってあげたんでしょ?」
「そうだけど……」
「今度は私がやってあげる。」
「こんな高級そうなところで?」
「私にやられるのは嫌なの?」
「そうじゃないけど……」
「茜や沙耶にはやってもらったんでしょ?」
「そうだけどそれはもっと手頃なところで……」
「ふ〜ん……私にはそういう態度なんだ。」
「え?」
「別に良いわよ。」
「あ、ちょっと、お姉ちゃん?」
「冗談よ。良いわ。ここはそういう事する感じじゃないわね。」
「ごめんなさい……」
「すぐに謝らないの。」
「あら、もう食べないの?」
「デザートまで行くなら多少余裕がないといけないから。」
「じゃあ後は食べちゃうわよ。」
「ありがと。」
「こんなもの滅多に食べられないのにもったいないわね。」
「そうだね。」
「最近痩せたりしてない?」
「体重は減ってないよ。キープしてる。」
「身長は?」
「まだ伸びてる。」
「そういうのを『痩せた』って言うのよ。」
「そうだね。」
「ふふっ。さて、デザート注文する?」
「うん。特製ティラミス。」
「じゃあ……インペリアルトルテ。」
「すごいものがあるよね。」
「このお店、本場はドイツだから。」
「インペリアルトルテはウィーンだよ?」
「ドイツの隣はオーストリア。その首都がウィーンよ。」
「そうだったね。」
「飲み物は?」
「コーヒーかな?」
「コーヒーね。……っていろんな種類あるわよ。」
「じゃあ……メランジェ。」
「私もそうしよ。特製ティラミスとインペリアルトルテ、メランジェ二つ追加お願いします。」
「かしこまりました。」
お姉ちゃんは僕の顔を見てニコニコしている。
「お姉ちゃんどうしたの?」
「アンタが彼氏ってのもアリかな?ってね。」
僕は真っ赤になった。