学級崩壊……? 22
今日のアイツらの予定……自由行動、ではない。
いわゆる社会見学ということで、引率は今回は市岡先生に任せてある。
彼女もいるし、クラス委員長の真奈は引き締めるべきところはちゃんとやる子だから問題にはしていない。
「おはようございます」
少し遅い目覚め。
今日の予定がフリーの先生が集まる部屋に向かうと坂下先生、高宮友梨先生、広瀬奈々先生というクラス担任勢と噂に聞いた男子生徒2人がいた。
「君たちは、昨日無断で来たという?」
「そうです」
「強制送還されたと聞いたのだが?」
「そうでも言っとかないと、クラスの子たちの抑えが効かないでしょう」
坂下先生が説明した。
彼らはその言葉にちょっと身震いして恐怖の表情を浮かべた。
学校としては状況を把握できないまま返せない為、女子生徒に気付かれないように残ってもらった。尋問など必要事項が終了次第、帰宅させる。
「知ってると思うけど、うちの学校の子は若いのにあれだけ性に関心があるの!別に興味があるのはいいけど、もしかしたら赤ちゃんができるかも知れないんだよ!」坂下先生が説教する。
「ところでどうしてこの場所がわかったんだ?坂下先生の言う通りうちの女子クラスの生徒は男子とこんな時間を持つと臨海学校どころじゃなくなるから男子には内緒だったはずなのに…」俺は雅人と明久に聞いた。
「クラスの女子が、話してて…なんか、その女子のお姉さんが、女子クラスの子のお姉さんと同じクラスらしくて、なんか、話してるのが聞こえてきたんです」
雅人が淡々と説明する。
「その子はなんていう子?」
坂下先生が聞く。
「そこまでは、聞き取れませんでした」
「そうじゃなくて、話してた君のクラスメイトの子」
えっ?というような少し驚くような顔をする雅人。
しばし黙って、何か思い出しているのか考える素振りを見せた後、重い口を開いた。
「えっと、たぶん……藤林…」
苗字を聞いたところで、坂下先生がため息をついた。
「どうかしましたか、坂下先生」
「いえ…………あの子、余計なことを」
「知ってる子ですか」
「ええ………歳の離れた妹です」
「へっ?」
苗字違う………てことは、坂下先生、人妻だったんですか。
俺は別の部分で驚いてしまった。