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被害者達の新たなスタート
官能リレー小説 - ロリ

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被害者達の新たなスタート 3

 「元気にしてた?」
 「ええ…、まあ…何とか」
 美久は愛想笑いで答えた。
 「パパやママは家にいるかな?」
 「ママはいるけど…、パパは仕事だとおもうわ」
 「そっか…とりあえず、お邪魔させてもらうよ。大事な話があるんだ」
 「どうぞ、家の中へ…」
 美久は坂本と一緒に家へと向かう。
 家に入ると美久は母を呼び、坂本をリビングへと招いた。
 意外な来客者に母も少し戸惑いながら家の奥から現れた。母の両腕の中には、まだ幼い美久の子供が眠っていた。
 「あら、急にいらして…何も用意してありませんが、くつろいで下さい」
 「お構いなく…実は自分も、ちょっと大事な話が出来たので急いで来てしまったのです。出来れば父親さんにも伝えたいのですが…、お呼びできますか?」
 美久の父は近くの工場に勤めていた。母は、子供を美久に預けて工場へと電話を掛ける。電話に出た父は30分程して家へと帰って来た。急いで戻った父は作業着姿のまま家に入って来た。
 「突然のお呼び出しすみません…」
 坂本は両親に向かって1度頭を下げる。
 「出来れば、大人達だけで話をしたいのですが…」
 そう言って坂本は美久に目を向けるた。それに気付いた母が
 「美久、お部屋に戻っていなさい」
 「私も聞く!」
 「宿題があるでしょ」
 その言葉に美久は頬を膨らませて、自分の娘を抱きながらリビングを出て行く。2階の自分の部屋へと戻るフリをして美久は隣の部屋に忍び込み、少し襖を開けて大人達の話を盗み聞きする事にした。
 坂本は両親のいる前で頭を下げながら重い口調で一言発言する。
 「実は…加害者達の極刑が無効になりました」
 その言葉に両親は唖然とした態度で坂本を見ていた。
 「なに…それ、どう言う事?」
 「刑の判決が無罪へと切り替わったのです。加害者の少年達は、女児達を誘拐したと思われるけど…全員無事で、命に関わる行為は一切無かった事、誘拐したと思われるが身体的拘束は無く、逃げようと思えば逃げられるのに誰も逃げなかった事、少年達は女児に食事や入浴など与えていた事から、誘拐と言うよりも同居していた行為に近い事から罪に問われなくなったのです」
「そんな!誘拐事件の後、死産した子や、自殺未遂した子、男性恐怖症になった子が大勢いるのに何故、ここに来て無罪になるのです」
 「ここだけの話ですが…どうも裏で、金が動いた可能性があるみたいです」
 両親は口を閉ざした。
 「今回の事件の主犯格の少年の父親が、ある財政界の大物と親しい関係にある見たいなのです。その人物が今回の出来事の黒幕らしいです…、しかもその人物は国内で五本の指に入る程の大きな宗教団体の幹部も務めているのです」
 「つまり…、我々個人が何を言っても無駄だと言う事…ですか?」
 坂本は黙って頷く。
 「ある意味そうです。言い替えれば彼等に手を出せば、消されるのは我々の方かもしれない…と、言う事です。彼等の経歴を見た所、主犯格の人物…森谷信二と言う人物は、今回が初犯となっていますが…、過去に何度も性犯罪を犯している危険人物で、性犯罪の常習犯でもあります。さらに言うなら彼等は無罪放免になるから、近いうちに釈放にもなるでしょう」
「そんな!」
 話を盗み聞きしていた美久は、忘れかけていた恐ろしい出来事の記憶が脳裏を横切った。ドサッと腰から力が抜けて、へたり込むと失禁した。その音に気付いた気付いた両親が後ろの襖を開けて、美久に気付き驚いた。
 「美久!」
 母は、美久の姿を見てハッと息を呑んだ。小さな娘のスカートの下に黄色の水溜りが出来ていた。
 「ママ…私、どうしちゃったのかな?体が震えて立てないの…」
 涙混じりの声で美久は言う。
 話を盗み聞きしていた幼い我が子が、理性を失う程動揺してしまっている姿を見て、大人達は、しばらく口を閉ざした…。
 母は、震えながら涙を流している美久を抱え上げる。
 「お風呂へ行きましょう」
 美久は黙って頷く。
 母と美久の姿が見えなくなると、男だけになったリビングでテーブルを挟んで向かい合わせになった坂本と、氷室の父親が対面で話をする。
 「ある意味、良かったです…、女性達が席を外して頂いて…」
 「まだ…、何かあるのですか?」
 「ええ…正直言って、娘さんがきいたら立ち直れなくなる程の内容かもしれません…それでも、貴方達一家には、事前に伝えておきたい…と、私自らが思ったので、今日…この場に居合わせたのです」
 「それ程までに伝えたい内容とは、何ですか?相当重要に思えますが…一体?」
 「少女誘拐事件の主犯格…森谷信二は、この町の人間なのです」
 父は胸に大きな杭を打ち込まれた様な衝撃を味わった。
 「な…何ですと!」
 「自分も最初、目を疑いました。しかし…事実である事に間違いありません…」

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