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淫屍の迷宮
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫屍の迷宮 10



「オラっ!」「遅い!」
「聖なる光よ!」「燃え散れ、ファイアアロー」

男達のパーティーは、順調にダンジョンの奥へと進んで行く。
難易度の再調整により、サクサクと進める上層階により、冒険者達の心に僅かづつだが、油断が生まれていた。

「なんだ楽勝じゃねぇか」
「おい、油断するなよ。まだ奥はあるんだからな」
「ですが、この程度の敵ならまだまだ余裕でしょう」
「ああ、魔力もまだまだ余裕があるぜ。どんどん進んで行こうや」

仲間の忠告もそこそこに、男達は更に奥へ足を踏み入れた。
迷宮を進んでいくにつれ、冒険者たちはあることに気づく。
この迷宮の最大のお宝である美女ゾンビが、なかなか姿を現さないのだ。
出てくるのはスケルトンやゴースト、ゾンビなど他の場所でも見かけるモンスターばかり。
宝箱もいくつか見つけたが、入っていたのはポーションなどのショボイものだけ。

「おいおい、いつになったら出てくるんだよ、あいつらは!?」
「イラつくな。表の看板に大幅改造したって書いてあったろ。
 ある程度奥に行かないと会えない仕様にでもしてるんだろうさ」
「それだけならいいんですけど・・・」
「おいおい不吉なこと言うなよ。僧侶が言うとシャレにならねえだろうが?」

軽口をたたきながら迷宮の奥へと進んでいくメンバー。
そしてついに彼らはお目当ての美女ゾンビを発見した。
ターゲットは冒険者たちを見るなり、うれしそうに微笑みながら近づいてくる。
一緒にいた迎撃用モンスターたちとともに。
さあ、狩りの開始だ。彼らは見事ここから彼女を外に連れ出すことができるだろうか?

「いくぞっ!」
「うおりゃああぁぁぁあっ!!」

まずは前衛の戦士A&Bが先制攻撃。Bの攻撃は防がれたものの、Aの攻撃はきれいに決まり、スケルトンを一撃で粉砕する。
いくらやられ役とは言え、アンデッドたちだって黙っていない。
敵討ちと言わんばかりにアンデッドたちがAに群がる。
剣を振り抜いたばかりで、スキだらけのAには攻撃をよけることも防ぐこともかなわない。
だと言うのに、戦士Aは余裕の笑みすら浮かべて迫りくるモンスターたちを見ている。
彼は知っているのだ。その攻撃が自分に届くことがないことに。
次の瞬間、戦士Aの前に光の壁が生じ、攻撃を仕掛けたアンデッドたちが後方へと弾き飛ばされる。
そして間髪入れず、拳大の炎の玉が次々と襲い掛かり、さまよえる亡者たちを火葬していく。
炎の飛んできた方向を見れば、そこには手のひらと杖をかざす僧侶と魔法使いの姿が。
どうやら戦士Aの余裕の理由は仲間たちの支援にあったようだ。
ピンチをしのいだ彼は再び剣を振りかぶってアンデッドたちを斬り捨てていく。
もちろん戦士Bだって負けてはいない。
つばぜり合いの状態からモンスターを吹っ飛ばし、素早く一撃をたたき込んで黙らせると、その勢いのまま次々と敵を倒していく。
アンデッドたちの血が飛び、肉が断たれ、骨が砕かれていく中。

「うおっ!?」

仲間たちがやられていくのを意にも介さず、微笑みすら浮かべて戦士Aに抱き着いたものがいた。
美女ゾンビだ。男と交わることしか頭にない彼女は、戦闘中であることすら無視して、戦士Aにキスをせがむ。
さすがの戦士Aもこれには困った。
何しろ相手は彼の生活費そのものである。
斬り捨てるわけにはいかないし、かといって乱暴に突き飛ばして傷物にするわけにもいかない。
おまけに脳みそが腐って敵味方の判別がつかないのか、アンデッドたちは美女ゾンビごと戦士Aを攻撃してくる始末。
戦士Aとその仲間たちは、美女ゾンビをかばいながらの戦いを強いられることとなった。
もっとも彼らは中堅クラスの実力者である。
多少の手間こそかかったものの、あっという間に美女ゾンビ以外のモンスターを撃退してみせたのだった。

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