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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ 69

魔王城はずいぶん広い。どこをどう通ってか、やがて玉座のある大広間に辿り着いた。その玉座に腰掛けているのは外見上はビリーとさして変わらない若い女性の魔族だった。
(うわぁ!綺麗な人…。あの人が魔王なのかな…?)
同性であるビリーから見ても、思わず見とれてしまう程の美しさだ。銀の縁取りの装飾を施された黒いシンプルなビキニアーマーに身を包み、美しくも淫らな肉体を惜しげも無くさらけ出した女性はビリーに優しく微笑みかけて言った。
「お初にお目にかかります、鬼族族長ボルゲーノ夫人ビリー殿。私が魔王リリー・サタンダークです」
「お…お目にかかれて光栄です魔王様!鬼族族長ボルゲーノの妻で、今は族長代理をしておりますビリーと申します!」
慌てて我に返り自分も名乗って頭を下げるビリー。すると魔王リリーは急に砕けた表情になって言った。
「うふふ…あなたがビリーさんね。話には聞いていました。まさかあのボルゲーノが特定の女性を妻に向かえるなんてねぇ…」
その妙に親しげな話し方にビリーも何だか拍子抜けした。今、目の前に居る相手が魔族の頂点に立つ存在…魔王であるという事を思わず忘れてしまいそうになる。魔族についてはビリーも幼い頃から近所の老人や、または寝る前に枕元の親に飽きるほど聞かされてきた。…理性を持たず、凶暴で、破壊と殺戮の中にのみ悦びを見出し、体格も腕力も人間に遥かに優り、容赦なく生き物を殺し、その血をすすり肉を喰らう…そんな魔族のイメージと目の前の美しい女性は全く懸け離れた物だった…。
それにボルゲーノの事を語った時の彼女の声は、どことなく懐かしそうな響きを帯びていた。その事に気付いたビリーはリリーに尋ねてみた。
「あの、魔王様はボル…いえ、夫と面識があるのですか…?」
「ええ…あなたにとっては快いお話ではないかも知れませんが、私はかつてボルゲーノと恋仲で、愛の契りを交わし合った仲でした」
「はぁ!!?あ…愛の契りって…愛!?」
突然のカミングアウトにビリーも思わず声を荒げてしまう。リリーは笑って言った。
「ふふふ…ご安心ください。大昔の話ですから…。今のボルゲーノにはアナタという素敵な伴侶がおり、私には魔王として魔族を統治するという使命があります。今さら彼とアナタの仲を引き裂いてヨリを戻そうなどとは思いませんから…」
「はぁ…それでもビックリしましたよ…。詳しくお話を伺ってもよろしいですか…?」
「ええ、もちろん。ただ、この場では少し堅苦しいでしょう。どうぞこちらへ…」
そう言うとリリーは玉座から立ち上がって、ビリーに付いて来るように指示した。

リリーがビリーを連れて来た所は浴場だった。
「うわぁ〜!広ぉ〜い!」
…と叫んだビリーの声が広い浴場内に木霊した。床、壁、そしてプールのような巨大な浴槽は全て大理石造り、魔族の裸婦の彫刻が担ぎ上げた水瓶から湯が湯船に注がれ、天井はガラス張り、浴室の片隅には植物まで植えられている。
「魔王様、毎日こんな素敵なお風呂に入ってるんですか!?」
「ええ。日々過酷な政務に追われて精神をすり減らしているんですから、これぐらいの贅沢は…ね♪」
「あはは…魔王様もやっぱり人の子ですね〜」
「…実は、私はあなたとは是非一度お話したかったのですよ。同じ女の身でありながら一族を率いる使命を与えられた者同士として…お互い裸で心を許し合ってね…」
「魔王様…」

二人の魔族の女官がそれぞれビリーとリリーの服を脱がせ、二人は裸になった。二人ともそれぞれが惚れ惚れするような美しい裸体の持ち主で、女官達からも思わず溜め息が漏れる程だ。
魔王リリーの肉体は女として正に“完璧”と言っても過言ではなかった。白い新雪のような銀色のロングストレート。大きく豊満でありながらも全体のバランスを崩さない程度の大きさと形を保っている美巨乳。引き締まった腰。丸く張りの良い美巨尻。その下に伸びる長く美しい太もも。もし彼女に魔族特有の背中の翼と頭の角が無ければ地上に舞い降りた女神と見紛うかも知れない。

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