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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 56

今までライズに攻撃を仕掛けていたのが、突然壁に頭を打ち付けたと思うと、地面にのたうち回り、終いには爪で自分の体を傷つけ始めた。
これにはライズも呆然とするほか無かった。
グゴオオオ・・・グゴォ・・・
ファニーの耳には、その雄叫びが嘆き悲しんでるように聞こえた。
自分の父の姿を見て、意を決したのか、ジュラーブリクがファニーに向きあう。
「お願いです。父をボッキ茸の呪いから救うために、父に抱かれてくれませんか。これはファニー様にしかできないのです」
それはやや強引ながらも、父親に対する深い愛情が見て取れた。
だからといってファニーもすぐには抱かれますと、返事はできなかった。
「どうして、私でないと駄目なの」
「…ボッキ茸の副作用についてご存知ですか」
そう言われて、モレル医師の言葉を思い出す。
「確か、強い催淫効果があって、愛するもの同士の性交でないと、廃人になってしまう」
「そうです、ですが父には愛する人はいません、ただ思い出の少女だけ。ファニー様はその少女にそっくりなのです」
そこにライスが口を出す。
「それでは例えファニーを抱いても主は助からないのを説明しているのと同じではないか」
「それはどう言う事ですか」
ジュラーブリクはライスに詰め寄る、しかしライスは冷静に説明する。
「つまりファニーは主に同情しているが好きになった訳ではない、それに主が好きなのは思い出の少女だ!ファニーが少女に似ていてもそれは少女の幻影を追い掛けてるに過ぎない、つまり思い出の少女を抱くしか助からないんだよ、残念だけど」
誰も反論出来なかった。
「何も打つ手は無しか?
予備案は?」
ライズは獣人二人に詰め寄る。
しかし、二人は答えることが出来ない。
「…仕方ないな。 アンナちゃん、手を貸して。」
そういってちょっと物陰にアンナを誘う。
「これをやる。」
何やら、古い巻物を広げてアンナに見せているようだ。
「…えっ! こ、これは…この魔法は!」
アンナの表情が固まるがライズは続ける。
「微調整は俺が出来る。 だけど、魔力が足りない。
その分をアンナちゃんに出してもらう。」

「しかし…この魔法書、どこで?」
「どこでも良いだろう?
主がお待ちかねだ。 早速始めよう。」
ライズとアンナは主から離れた場所に移動し、ライズは巻物を地面に広げて座り込む。
そしてアンナはライズの後ろに立ち、両手を祈るように組み、静かに目を閉じた。
「神よ、万物生まれし時よりの常を今暫く破ること許したまえ…
寄り来たれ…寄り来たれ…」
「血肉偽産、鼓動偽開」ライズとアンナが口々に呪文を唱え始める。 それと共に主の前に光が集まり始める
「ライズさんこっちは完了よ」
「俺も…いくぞ! 偽生体人形召喚!」
「霊来憑衣!」
光は集まり体を成し、やがてそこには少女が立っていた。

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