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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 30

「しかし、それでは姫の護衛が居ません。」
「護衛には誰か別の者を…」
だが、それは難問だった。 先程にも言っていたが、皆動けないのである。 ましてや強い騎士は真っ先に使われている。
しばらく考えた後、ティーエが口を開く。
「…ライズはどうでしょう?」
「ライズ?」
「ライズぅ!?!」
ファニーはライズが誰だか知らないので、ティーエに聞いたのだが、他の重臣やアンナは信じられないと言った表情でティーエを見つめている。
「あの、おカンめもいを!?」
…ファニーにはこう聞こえたのである。 だが、実際にはいくつもの言葉が混じったため、こう聞こえたのだった。
その中身は、女垂らしだの不真面目だの、一つとして良い言葉はなかった。
「…確かに普段は不真面目ですが、命令にはちゃんと従いますよ。
それに剣の腕前は国で一、二を争うほどです。」
そう言われると重臣達も黙った…
「ちょっと待った!」
ファニーが手を挙げて、ティーエに近付く。
「私の護衛なら、もちろん私より強くなきゃ駄目よね?
だから試すわ、私と勝負させるの。」
表面上はそう言う理由だが、本当は剣を扱う者として強い相手と戦いたかったのだ。
ファニーとティーエとアンナ、それに重臣達は修練場へと移動した。
そこにはライズが一足先に待っているはずだったが、ファニー達が来たときには誰もいなかった。
「ちょっと、そのライズて言うのはどこにいるのよ」
ファニーがプリプリと怒っていると、突然は以後から一人の男が抱きついてきた。
「キャッー、な、なんなのー」
ファニーは何とかふりほどこうとするが、男はなかなか離れない、それどころ自分のほおをファニーのほおにすりつけて感触を楽しんでいた。
「うーん、ファニーちゃんの胸は薄いけど、ほっぺは柔らかくて気持ちいいね」
「放しなさいよ変態」
ファニーと謎の男のもみ合いが終了したのは、ティーエの一言だった。
「ライズ、戯れもそこまでにしておけ」
その一言で、ようやく謎の男はファニーを解放した。
「やれやれ、もう少しこの感触を楽しみたかったのにな」
この謎の男こそが、ライズだった。
長身と言うには少し低い、長い髪と言うにはちょっと短すぎる。 中途半端な印象がある男だった。
「ま、そんなに怒りなさるな皆の衆、俺だってお姫様と家臣の域は越えないさ♪」
つまり、彼にとっては胸揉みくらいは挨拶らしい。
白銀の髪、青い目、整った顔立ち。 ファニーは美形だと思った、だが黙っていれば、というセリフが続いたが。
「で、姫様。 俺と闘うんでしょう?
早くやりましょうさ。」
もちろん、と言いながら神剣ミネルバを構えるファニー。
胸揉みのせいか、剣に殺気が篭っている…ヤル気のよう…
「ホンキで行くからね!」
ヤル気なファニーに対して、ライズは不可思議だった。
ファニーの怒る様子を見ると微笑し、腰の小刀を抜いた。
「俺はこれで…」
抜いたのは、騎士の証の刃渡り30センチ程度の小刀。 派手な飾りが付いていて、刃はあるが切味はそれほど良くは無い。
いわゆる儀式用の剣だった。
完全に侮辱され、ファニーはもちろん、剣のミネルバも怒りだした。
『ファニー! 妾にやらせるのじゃ! あの若僧を叩き斬ってやるのじゃ!』

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