エルドラ戦記 26
同じくミモナもエルドラの言葉に同意する。
そして、二人は出来るシェリアの花を採取し始める。
幸いミモナが大きな籠を持ってたので持って行くには手間はかからなかった。
「これだけあればいいね。」
「そろそろ降りよう。」
シェリアの花はまだいたるところに咲いているが、籠いっぱいに詰められたシェリアの花は、大きな花束のように咲き乱れていて、それを持ったミモナのことをエルドラは正直に「可愛いな」と思った。
そして2人は山を降りてゆく。
グオォオオン!!
「どうやら来るな。」
「えっ何か来るんですか?」
下山の途中、遠くからデカい動物の鳴き声を遠くから聞き気付いたエルドラ。
対してミモナは何が何なのか分からなかった。
「もうじき、あの巨大蜘蛛ががここに来る。」
「えっ何で解るんですか?」
エルドラはミモナに巨大蜘蛛がやって来ると言うと、奴に大ダメージを与えたミモナは巨大蜘蛛が来るとは思わなかった。
「僕は耳が生まれ付き非常に良いんだ。信じる信じないは君の自由だけどね。」
「その目は本当の様ですね。」
………エルドラ達は巨大グモから逃げるため、駆け足で山を下っていた。
だが、エルドラは兎も角、ミモナの足では簡単に巨大グモに追いつかれてしまう
また、フェリアが居ないので妖精の不思議なワープ魔法が使えない為、エルドラとミモナは今現在出来るなかで、最速の方法で山を下っていた。
「キッ…キャアアア〜〜………!!!」
……その方法とは、エルドラがミモナを抱えて走るというもので、確かに速いには速いのだが、抱えられているミモナにはすこぶる不評だった。
ビュンビュンと風を切り裂き、木々が彼らを避けている様にさえ感じられるスピードで一直線に山を下っていたエルドラであったが、突如として目の前に現れた障害物に驚き、急ブレーキをかける
ザザ…ザザザザザ〜〜と靴底が砂利を滑って削られて、なんとか止まる事に成功すると、エルドラは急いで跳び上がり、ソレとの距離を取った
「クソッ!!あの化け物グモめ、速すぎる………!!!」