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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 238

「お待ちください、それは雌姫の規約に反します。たとへ元帥閣下といえども規約にはしたがってもらわないと」
レイは反対するがベルゼビュートは手でそれを押しとどめる仕草をする。
「無論、公共の場では規約に従ってもらう。だがここは私の私室だ、わたしの好きにさせてもらいたい」
「ですが」
なおも言い募ろうとするが、結局はベルゼビュートの言うがままにした。

朝食の味はなかなかのもので、モンデールの宮廷と遜色の無いほどのできばえだった。
食事の最後にベルゼビュートはファニーに、今日の予定を聞いた。
「今日の予定ですか」
そう聞かれても答えようが無い。
今のファニーは囚われの身、今一番のやりたい事を聞かれたら、まだ姿の見てないアンナを探す事と、脱出路の確保することだと答えるだろう。
無論、そんな事正直に言えるはずが無い。
だが、当たり障りの無い適当な答えなど、直ぐには思い浮かばない。
ファニーが押し黙っていると、ベルゼビュートのほうが先に口を開いた。
「今日、辺境で起きた反乱を討伐した部隊が戻ってくる。良ければ他の雌姫たちと一緒に彼らの相手をしてもらえないかな」
相手をする。
それはただ単に話し相手をするとか、酒の相手をすることではないだろう。
つまりは兵士相手の慰安婦になれというのだ。
「断ったらどうなるのかしら……」
どうせ断ることなどできないだろう。
そう思って聞いたが、答えはさらに悪趣味なものだった。
「断ってもかまわんよ、ただ姫を担当する調教師の評価が下がるだけだ。ちなみに評価が最低ランクの調教師は種付け雌に降格されることになる」
蠅の複眼がじっとファニーの目を見据える。
魔族の…特に異形な者の表情は読みづらいが、その眼差しは真剣だと感じた。
断ることのできない選択。
わかりきった返答を真剣に待っているのだ。
「わかったわ。討伐隊の労いに私が出ます。
でも、勘違いしないで。
誰かが貶められるのが恐いからじゃない。
それが私が今やらねばならないことだからやるということを」
「そなたの心の強さ、改めて感服した。
もし、この宴ではらむことがあってもそれは私の子として受け入れよう。
それが宴に参加させる私の責務。」

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